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著名人・有識者が語る 〜インタビュー、講演、寄稿〜

自分を磨く たくましく生きる

作家 荒俣 宏

実践を通して金銭感覚を身につけた少年時代

もの静かで語り口は穏やか。取材に応じてくれた荒俣さんは、テレビで見るのと同じような印象である。そして、その表情からは芯の強さも伝わってくる。

団塊世代である荒俣さんの少年時代は戦後の復興期。当時は貧しい世帯が多く、荒俣さんの家族も同じだった。

「最近まで言われていた一億総中流といった意識などはその時代にはまったくなく、私のまわりは、みんな生活が苦しかったですね。同じように貧しかったから、それを隠す必要もなかったのです。お金はありませんでしたが悲壮感はなく、むしろ明るかったですね」と荒俣さんは少年時代を振り返る。

友だちの家に遊びに行く。ときにはおやつも出してくれる。それは手作りの素朴なものばかりだ。もちろん荒俣さんの家庭でも同じだ。しかし、今思い出すとそういったおやつ一つを取っても貧しいなりの工夫があったことに気づき、ありがたみを感じるという。


商店を営む暮らしの中で荒俣さんはそろばんを覚え、家業を手伝ううちに自然にわが家の家計状況も把握していった。やがて荒俣さんは『入る』『出る』という、お金には流れがあることも理解していく。

ときには親が銀行などに資金の工面にいくときも一緒に連れて行かれた。銀行とはお金を預けるだけのところではなく、融資してくれる場所であることも日常の暮らしの中で実践として学んでいった。