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著名人・有識者が語る 〜インタビュー、講演、寄稿〜

強い気持ちが夢を叶える

サッカー選手 澤 穂希

サッカーとの出会い 好きなことをやらせてくれた母

Jリーグが発足した1993年当時でも、ボディコンタクトが激しいサッカーというスポーツを女子がやることは、それほど一般的ではありませんでした。 そうした中、澤さんはずいぶん前からサッカーを楽しんできたそうですが、それにはどんなきっかけがあったのでしょう。

「小学校に入る前、ひとつ歳上の兄が通っていたサッカークラブに遊びに行ったときに、コーチから『妹さんも一緒にボールを蹴ってみないか?』と誘われ、初めてグラウンドに入りました。 自分が蹴ったボールがゴールの中に吸い込まれて行くその感覚がとても気持ちよく、すごく嬉しかったことを今も鮮明に憶えています」

そのときの記憶を胸に残したまま、小学2年生になった澤さんは、お兄さんと同じサッカーチームに入ることを熱望したといいます。


「でもそのチームでは女子の入部は認められていなかったんです。しょげかえる私をみた母が何度もチームにお願いして、 ついには『女子の入部の前例がないのなら、ウチの娘で新しい歴史を作ってください』と押し切って、ようやく入部を許されたんです」

小学生のころは男子の中で女子ひとり、いつも日が暮れるまで仲間とボールを追いかけ、 学校の行き帰りでも網に入れたボールを手で吊るして蹴りながら歩いていたほど。毎日の生活にはいつでもサッカーボールが一緒。 そうした澤さんのサッカーへの想いを、積極的に後押ししてくれたのがお母さんでした。

「母は大事な機会があるごとに、『チャンスの波に乗りなさい』と言っていました。 その言葉は今も心の中に深く刻まれています。また母は私に何かを無理強いさせることはありませんでした。 サッカーを始める前から通っていた水泳との両立ができないと言ったら何も反対せず、『そうしなさい』とあっさりしたもの。 勉強のほうでも苦手な学習塾をさぼっているのがバレてしまったときも、問いつめられることもなく、 『あなたがイヤならやめてもいいのよ』というだけでした」

子どもが好きなようにさせるという教育方針。一見無責任にも見えるかもしれませんが、 わが子を信頼し、忍耐力を持って接したことが澤さんの自立心を養っていたのかもしれません。 大人になった澤さんは、子どものころのお母さんのそうした接し方に感謝しているそうです。