金融教育公開授業
2015年度 金融教育公開授業
愛媛県金融広報委員会
松山市立南中学校
金融広報中央委員会
愛媛の実施報告
「金融教育公開授業 in 愛媛(南中学校)」(10月21日開催)
南中学校は、松山市の南部に位置する大規模校です。校区は、二千余年の昔から「お椿さん」と崇敬されている伊豫豆比古命神社を中心に、ベットタウンとして発展してきました。同校は、「心豊かで、活力のある生徒の育成」を掲げ、教育活動を推進するとともに、部活動も盛んに行っています。
10月21日(水)に金融教育公開授業を開催し、2年生を対象とする公開授業と、ダニエル・カール氏による講演会を行い、全生徒が参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
中学2年生を対象に、「職場体験学習を生かした金銭教育 『勤労』~生き方を考える~」と題する授業を行いました。
これまでの学習で、働くことの意義やいろいろな職業の内容と特色について学んだ後、職場体験を実施しました。
まず最初に職場体験を振り返り、各事業所で印象に残ったこととして、「普段目にしている仕事よりも見えない部分の仕事の大変さを知った」、「経験に裏付けされた技術の重要性を感じた」といった発表がありました。
次に、職場体験の前後に行った「働く目的とは?」というアンケートの結果について、職場体験前と比べて自分たちの考えがどのように変わったのか、何故考えが変わったのか、を考えました。体験前に大多数を占めていた『収入を得るために働く』が体験後は2位に後退し、『お客さんや利用者等に喜んでもらうため』が大きく伸びて1位となりました。「収入を得ることも大切だが、感謝されたり喜ばれることで仕事にやりがいや誇りを感じることができたから」という意見が多数を占めました。
最後に、生徒を受入れた事業所に勤めている方々にお願いした「働く目的について」のアンケート結果を見ました。1位の『収入を得るため』に続いて、やはり『自分の能力を高めるため』や『社会に貢献するため』といった意見が多いことを知りました。
これらを通して生徒は、働く意義として、経済的に自立することが大切であるが、社会貢献や自己実現、労働の楽しみを味わうなど、多様な価値観や考え方がある中で、自分にとって何が大切なのかをよく考えることが今後の職業選択や進路選択を行ううえで重要であることを学びました。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏から「日本とアメリカの違いから学ぶ賢い消費者へのみち」と題する講演が行われました。
ダニエル氏は、交換留学生として来日した際に、子供が親に小遣いを無心している様子を見て驚いたと話されました。アメリカでは、お小遣いは労働の対価としてもらうことが当然で、ご自身は6歳の頃、お父さんと契約を結んで、家事を手伝うことでお小遣いを得るようになったと説明されました。さらに、クレジットカードの使い方やローンの組み方も親から教えられた経験から、ご自身の子育てにおいても、子供にアルバイトをさせたり生きていくうえで必要なお金の話を機会あるごとにしている、と語られました。
日本では、家庭でのお金の話はタブー視される風潮にあるが、お金についての知識を持たないまま社会に巣立った若者が金銭トラブル等に巻き込まれている、と現状を憂慮されました。家庭や学校でお金にまつわる失敗談などを積極的に話し合うことによってお金に関する知識や金銭感覚を学ぶことが大切だ、と話を締めくくられました。
講演に参加された方々は、ユーモアを交えた山形弁の語り口に和みつつ、ダニエル氏の実体験に基づいた話がわかりやすく、「家庭でお金の話をすることの大切さやしっかりしたお金の知識や金銭感覚を持つことの重要性を認識した」といった感想が多数寄せられました。
3.プログラム
- 13:35~14:25
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公開授業
「職場体験学習を生かした金銭教育」(2年生 総合的な学習の時間) - 14:45~14:50
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開会挨拶
愛媛県金融広報委員会事務局長 梶谷嘉孝 - 14:50~15:50
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講演「日本とアメリカの違いから学ぶ賢い消費者へのみち」
講師:ダニエル・カール氏 - 15:50~15:55
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閉会挨拶
松山市立南中学校校長 大江保