金融教育公開授業
2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)
茨城県金融広報委員会
日立市立坂本中学校
金融広報中央委員会
茨城の実施報告
「金融教育公開授業 in 茨城(坂本中学校)」(11月18日開催)
日立市立坂本中学校は、昭和22年5月に久慈郡坂本村立坂本中学校として創立後、市町村合併により昭和30年2月に日立市立坂本中学校に校名を変更、日立市の最南部に位置し、東海村、常陸太田市と隣接しています。校舎は急坂の多い地域にあり、住宅団地内の静かな環境にあります。
教育目標として「一人一人の夢や希望の実現-さかもと魂を身に付けた生徒の育成」を掲げるとともに、 「 さわやかさ、 かんしゃ、 もくひょうをもち、 とちゅうであきらめない」 の標語の下、「『学ぶ喜び』『助け合う喜び』『成長の喜び』に満ちあふれる学校」を目指した教育を行っています。
平成22~23年度に金融教育研究校の委嘱を受け、「社会の中で生きる力を育む金融教育」を研究テーマに掲げ、生徒に対しては現在および将来の生活を支え得る「金融・経済に関する正しい知識の習得」を図ること、また、そのことを通して自らの生き方や価値観を磨き、よりよい社会づくりに向け主体的に行動できる態度を養うための教育の実践、および効果的な方法の研究に取り組んでいます。
具体的には、総合的な学習の時間に職場体験学習を実施し働くことと金融との関係について理解を深めたほか、社会科では商品価格決定の仕組み、数学では数量(利息)、英語ではドル紙幣を使用した英会話での買い物、技術では作った製品の製造コストを計算し販売価額を設定、道徳では無人の野菜販売スタンドを基にした公徳心、学級活動では地域の廃品回収に参加し収入を生徒会活動に充てる等々、各教科や学級活動の学習において、金融教育に関する学習を取り入れた授業を展開しています。
11月18日(金)は、1~3年生までの各1クラス(計3クラス)で公開授業を行った後、ダニエル・カール氏による講演会が行われ、全校生徒および近隣の教育関係者が参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「自分を守る(保険)~自転車の乗り方指導を通して」(1年生)
生徒が日常生活で使用している身近な自転車をとりあげ、自転車の安全な乗り方を確認することで、社会の一員としての自覚を促し、社会生活上のルールやモラルを学びました。また、自転車事故と保険について事例をもとに考え、事故を起こした場合の賠償金という観点から、「保険」というシステムを学び「お金や金融のはたらき」についても理解しました。
(2)「自立した消費者になろう」(2年生)
身近な消費生活を成り立たせている様々な販売方法や悪質商法について学習した知識をもとに、グループに分かれて消費者の権利と責任に関するロールプレイのあらすじやシナリオを検討しました。グループ毎に消費者の権利と責任についてイメージマップを作成し、一人ひとりがそれぞれの役割を演じるためにセリフを考えました。シナリオづくりを通して、消費者としての自覚をもち、責任のある行動をとっていくことの大切さを学びました。
(3)「市場経済と金融」(3年生)
地元ブランドの「茂宮(もみや)かぼちゃ」と他産地のかぼちゃの価格の違いに注目して、需要・供給バランスや流通の仕組み、生産者の願いなど価格決定の要因等について、多面的に考え、発表させました。また、生産者を授業に招いて生産・販売の努力や工夫を知り、勤労の大切さと金銭を得る苦労について理解を深めました。
2.講演会
公開授業の後、ダニエル・カール氏から、「日本とアメリカの違いから学ぶ賢い消費者へのみち」と題する講演が行われました。ダニエル氏は、初めて来日した際、日本の子どもが親からおこづかいをもらう様子をみて、アメリカの子どもと金銭に対する意識が違うことにたいへん驚いたと話されました。
生徒からは「働いてお金をもらうことと、日本でお年玉でもらうのは大きな違いであり、お金の大切さがよくわかった」「今、自分は親におこづかいとしてお金をもらっているが、本当にお金をかせぐというのは大変なんだなと思った。これからは親とお金を大切にしようと思った」といった感想が聞かれました。また、参観者から「ご自身の体験を基にしながら、お金の得方、守り方、使い方等を話されたことは、生徒たちの理解が深まり、金融についての関心が高まったと思います」という声がアンケートで寄せられました。
3.プログラム
- 13:25~14:15
- 公開授業
(1)「自分を守る(保険)~自転車の乗り方指導を通して(1年生・学級活動)
授業者:日立市立坂本中学校教諭 細谷豊
(2)「自立した消費者になろう」(2年生・家庭)
授業者:日立市立坂本中学校教諭 佐藤有香
(3)「市場経済と金融」(3年生・社会)
授業者:日立市立坂本中学校教諭 綿引優尚 - 14:35~14:40
- 開会挨拶 日立市立坂本中学校校長 矢板久
- 14:40~15:50
- 講演「日本とアメリカの違いから学ぶ 賢い消費者へのみち」
講師:ダニエル・カール氏 - 16:00~16:05
- 主催者挨拶 茨城県金融広報委員会副会長 鈴木義彦
- 16:05~16:40
- 研究発表 日立市立坂本中学校教諭 川田裕一
指導講評 茨城県県北教育事務所学校教育課指導主事 篠原陽一 - 16:40~16:45
- 謝辞・閉会挨拶 日立市立坂本中学校校長 矢板久