ディスクロージャー誌の見方・銀行編
ディスクロージャー誌の内容と入手方法
3.銀行のディスクロージャー誌にはどのようなことが掲載されているのか
ディスクロージャー誌には、銀行の経営方針や経営戦略、リスク管理体制やコンプライアンス体制、業務の内容、商品・サービスの内容、組織図や役員一覧、店舗ネットワークおよび業績の概要等の他、銀行の経営・財務の状況を示す次のような情報が掲載されています。
(1)連結および単体の財務諸表
連結財務諸表 | 単体財務諸表 | 内容 |
---|---|---|
連結貸借対照表 | 貸借対照表 | (銀行グループの)決算日における財産の状態を示す。 |
連結損益計算書 | 損益計算書 | (銀行グループの)当期の営業活動の結果どのようにして利益をあげたのか、または損失が生じたのかを示す。 |
連結株主資本等変動計算書 | 株主資本等変動計算書 | (銀行グループの)純資産の部の株主の持分の変動状態を示す。 |
連結キャッシュ・フロー計算書 | (キャッシュ・フロー計算書) | (銀行グループの)現金等のキャッシュが当期に増加・減少した原因と当期末の残高を示す。 |
(2)不良債権等の状況
- 銀行法により開示が定められているリスク管理債権の状況
- 金融再生法により開示が定められている金融再生法開示債権の状況
- 貸倒引当金の状況および不良債権に対する引当率
- 不良債権のオフバランス化の状況 等
(3)次の各種指標
預金・貸出金の状況、業務粗利益、営業経費の状況、中小企業向け貸出の状況、消費者ローン・住宅ローンの状況、利鞘、自己資本比率、株主資本当期純利益率(ROE) 等
4.銀行のディスクロージャー誌はどこで見ることができるのか
銀行法第21条では、「銀行は・・・業務及び財産の状況に関する事項として内閣府令で定めるものを記載した当該事業年度の中間事業年度に係る説明書類及び当該事業年度に係る説明書類を作成し・・・営業所・・・に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならない」と定めています。
したがって、銀行のディスクロージャー誌は銀行の店舗に備え付けられていますので、そこで見ることができます。また、銀行によっては、インターネットのホームページに情報を掲載している場合もあります。特に年度毎(中間期含む)の決算説明資料は銀行の経営分析を行うにあたって非常に有用です。