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やさしいデリバティブ

3 オプション取引

3-5 オプション取引活用の例

先行きの予測に応じた投資

将来の原資産の市場価格の変動の見通しや投資目的に応じ、複数のオプションを組み合わせ、さまざまな投資戦略を立てることができます。

グラフを使って例をあげてみましょう。

値上がり予想のとき

原資産の市場価格の値上がりが予想される場合は、コールオプションを買えば、市場価格の上昇に応じて利益を得ることができます(予想に反し市場価格が低下しても損失は限定されます)。

コースオプションの買い

このほか、「ゼロ・コスト・オプション」という次のような方法もあります。

ゼロ・コスト・オプション

この「ゼロ・コスト・オプション」は、コールオプションの買いとプットオプションの売りを同時に保有します。

コールオプションの買いで支払うプレミアムと、プットオプションの売りで受け取るプレミアムが同額であれば、2つが相殺されて実質的にプレミアムのコストをかけずに、原資産価格が値上がりしたときに無限大の利益を狙える戦略です。一方、予想に反し市場価格が低下すると、損失が発生し、この損失は原資産の市場価格の低下に伴い無制限に拡大します。

値下がり予想のとき

原資産の市場価格の値下がりが予想される場合は、通常の方法では利益を期待することはできません。しかしプットオプションを買えば、原資産の市場価格の下落に応じて利益を得ることができます(予想に反し市場価格が上昇しても、損失は限定されます)。

プット・オプションの買い

値下がり予想の場合も、「ゼロ・コスト・オプション」が用いられることがあります。

ゼロ・コスト・オプション

「ゼロ・コスト・オプション」であっても、オプションの組合せは値上がり予想の場合と異なり、プットオプションの買いとコールオプションの売りを同時に保有します。

プットオプションの買いで支払うプレミアムと、コールオプションの売りで受け取るプレミアムが同額であれば、2つが相殺されて実質的にプレミアムのコストをかけずにすみます。原資産の市場価格が値下がりしたときに利益を得られる戦略です。一方、予想に反し市場価格が上昇すると、損失が発生し、この損失は原資産の市場価格の上昇につれて無制限に拡大します。

停滞を予想するとき

原資産の市場価格が横這いに推移すると予想される場合、通常の方法では利益を得ることは困難です。しかし、この場合でも、オプションを使えば、利益をあげることが可能となります。具体的には、コールオプションの売りとプットオプションの売りを同時に仕掛ける「ショートストラドル」という方法があります。

ショートストラドル

ショートストラドルとは、原資産の市場価格が大きく動かないときに利益が得られる戦略です。見込みが外れれば、損失は無限大となるためリスクは大きいのですが、原資産の市場価格の値動きがなければ当初受け取ったプレミアム相当が利益となります。

大きな変動を予想するとき

さらに原資産の市場価格が、値上がりか値下がりかの方向は不確かだが、大きく変動しそうだと予想される場合に利益を得る方法もあります。これは、コールオプションの買いとプットオプションの買いを同時に仕掛ける「ロングストラドル」という手法です。

ロングストラドル

「ロングストラドル」では行使価格の等しいコールオプションとプットオプションを同時に保有します。

原資産の市場価格が上がるか下がるか分からなくても、大きく変動しさえすれば利益が得られる戦略です。損失は当初のプレミアムの支払金額に限定される一方、見込みどおり大きく変動すれば利益は無限です。

これらの他にも、取引単位数を増やしたり行使価格を変えたりすれば様々な投資戦略を組み立てることができます。将来の見通しに合わせて、また、自分のリスク許容度・投資スタイルに合わせて選択できる奥が深い世界なのです。

ただし、実際の取引に際してオプションの売りを組込む場合は、取引当初、証拠金を払込まなければなりませんから、一定の資金が必要となることには注意が必要です(オプションの買いだけの場合は証拠金は必要ありません)。