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公社債
公社債に投資するときのリスク

(平成20年度版)
公社債
公社債に投資するときのリスク
公社債投資のリスクについては、主に、(1)信用リスク、(2)価格変動リスク、(3)為替変動リスク、の3つを理解しておくことが必要です。これら3つのリスクとの関わり合いは、公社債の種類と、中途換金(売却)するか否かによって違ってきます。

信用リスク(元利払いリスク)
「公社債を購入する(公社債に投資する)」ということは、「その発行体に対してお金を貸す」ということですから、お金を貸した先が約束どおりに利子を払ったり元本を返してくれるかどうかが問題となります。発行体の経営悪化などにより元本や利子の支払いが滞ったり、経営破綻などにより支払い不能になったりするリスクを信用リスクといいます。
価格変動リスク
公社債を満期まで持たずに中途換金する場合には市場価格(時価)で売却することになります。市場価格は、景気や政策などさまざまな要因による金融情勢を反映した市場金利の変化に応じて変動します。一般に、金利が上昇する局面では市場価格は下がり、逆に、金利が低下する過程では市場価格は上がるという関係にあります(この関係はコラム「債券の価格と利回りの関係」で詳しく説明しています)。
債券の価格と利回りの関係
このように、公社債の保有期間中の資産価値が市場金利などに応じて変化するリスクのことを価格変動リスクといいます。
為替変動リスク
外貨建ての公社債は、為替相場の変動によって、円に換算した受取額が変わることになります。このようなリスクを為替変動リスクといいます。購入時に比べて為替相場が円安になった場合は円での受取りが増えますが、逆に円高になった場合は円での受取りが減るわけです。
公社債を中途換金(売却)するときの留意点
公社債を中途換金する場合には、価格変動リスクのほかに、買い手がなかなか現れず、希望するタイミングに売却ができないといったケースもあります。このようなリスクを流動性リスクといいます。取引が少ない公社債は流動性リスクが高くなる傾向があります。
なお、公社債の多くは、購入した証券会社などが買取ります。ただし、その価格は買取先により異なりますので、各証券会社などで確認することが必要です。
リスクとのつきあい方
価格変動リスクと為替変動リスク
公社債に投資しながら積極的に資金を殖やしたいと考えている場合には、必ず金利や為替の動向を頭に入れておくことが大切です。債券は、金利と連動して価格が変動しますから、金利がどのように推移していくのかをとらえることがポイントです。特に債券で運用していたが、景気はよくなり株価が上昇してきたので、債券を売却(中途換金)して株式を買うといったことをする場合は、価格変動リスクがあるので注意が必要です。
また、外貨建て債券は「外債の利回りが○○%」という表示だけでなく、対象となる通貨の価値がどう変化するかも重要です。為替相場は毎日絶えず変化しているので、今の為替相場が円高傾向にあるのか円安傾向にあるのか、満期までの期間の相場はどうなっていくのか、を自分なりに予測しておく必要があります。
価格変動リスクは、途中売却せずに、国債や社債を満期まで持つのであれば、発行体の破綻などがなければ満期に額面全額が償還される仕組みになっているので、心配する必要はありません。また、為替変動リスクについては、外貨建て債券を購入しなければ円と外貨を交換する必要がないので為替相場の影響は受けず、考える必要はありません。

信用リスクをチェックするには
信用リスクは、公社債などを購入した場合に、否応なくついてくるリスクです。債券の利回りには発行体の信用度が反映され、種類・銘柄ごとに違っています。基本的には、同じ期間の債券であれば、発行体の信用度が高いほどその利回りは低く、反対に信用度が低いほど利回りが高くなっています。
したがって、利回りの高い公社債に投資する際には、それ相応の高いリスクを覚悟する必要があります。つまり、公社債を購入する際には、利回りだけではなく、利回りの背後にある発行体の信用の度合いも評価することが大切です。もっとも、公社債の利回りは、「常に信用度だけを反映したもの」ではなく、さまざまな要因によって変化します。

公社債の信用リスクをチェックするには、発行体について知ることが大切です。具体的には、発行体の事業内容や財務状況などに関する情報や公社債の発行条件をよく確認しておくことが重要です。こうした情報は、目論見書(もくろみしょ)に記載されています。目論見書が発行されている場合は事前に証券会社などから目論見書をもらい、発行体についての情報に目を通しておく必要があります。
とはいえ、一般の投資家にとって、目論見書だけから信用リスクを判断することはなかなか容易ではありません。そこで、判断の目安の1つとして格付けを参考にすることができます。格付けは、公社債ごとに、元本や利子の支払いに対する確実性などについて専門的な第三者(格付機関)が評価して、その度合いを簡単な記号(AAA「トリプル・エー」、B「シングル・ビー」など)で表したものです。
ただし、格付けは絶対的なものではなく、高い格付けであれば絶対安心ということはありません。企業の経営状態の変化などにより格付けが変更されることもありますし、同じ債券でも格付機関によって評価が異なり、格付けに差が生じることに留意する必要があります。
長期債の格付けの定義(格付投資情報センターの場合)

そのほか、換金のしやすさについても確認しておきましょう。債券価格が大幅に低下し、予想外に損失が発生したときに、すぐに途中売却ができずに損失が膨らんでいく可能性もあります。予想外のことが起こったときにどう対処するかをあらかじめ決めておくことは、リスク管理の基本です。
債券の価格と利回りの関係
「金利が上がれば債券価格が下がる」といわれてもよくわかりません。なぜ、そうした関係が成り立つのでしょうか?
普通預金にお金を預けていると、市中金利が上昇すると預金金利も上昇しますね。ところが債券(固定利付債)の場合は、発行後に市中金利が上昇しても、債券の金利は上がりません。このような状況でその債券を売るときは、決められている金利では魅力がないので、価格を下げないと売れません。
逆に、市中金利が下がると、普通預金は金利が下がります。ところが債券(固定利付債)はあらかじめ決められた利率から下がらないので、そうした中で債券を売る場合、債券価格は当初価格より高くしても売れるということです。
こうした意味で、金利が上がれば債券価格は下がり、金利が下がれば債券価格は上がります。
金融機関の種類・・・証券会社
証券会社は、金融商品取引法の規定により登録を受けた「金融商品取引業者」で、株式や公社債など有価証券の販売、勧誘等を行っています。有価証券の発行・流通市場で中心的な役割を担っています。なお、従来の証券取引法が金融商品取引法に改正され、平成19年9月より、従来の証券会社は、法律上の名称が「金融商品取引業者」となっています。
