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(4)遺留分

(4)遺留分
5.減殺請求の方法は?
減殺請求の方法は、通常は内容証明郵便で、しかも配達記録をつけて行います。法律上は特に要式は決まっていませんし、口頭でもよいのですが、「減殺の意思表示をしましたヨ」という証拠を残す意味で、文書でしかも年月日をはっきりさせる必要があるからです。
文面もごく簡単に右のように書けば十分でしょう。
具体的に遺産の4分の1とか割合を書いてみたり、減殺したい遺産を特定しても構いません。しかし通常は遺贈されるほうに資料や遺産の管理がいってしまっていて、その内容を十分把握できないことも多いので、「遺留分権利者から、遺留分減殺の意思表示があったこと」さえ伝えられれば、まず第一歩は完了です。

この意思表示が相手方(遺贈を受けた相続人や受遺者。S子のような人)に届いた時点で、遺留分に相当する相続分(K子の4分の1やM子の4分の1)は、観念的ですが、遺留分権利者の所有に属することになります。
あとは話し合うなり調停や(場合によっては)訴訟で遺留分に見合う具体的な遺産を取り戻す作業に入るのです。
6.遺留分の放棄
遺留分制度があるために、日本ではせっかく遺言を書いてあっても、遺言どおりに相続するわけにいかず、遺留分権利者からの減殺請求によって覆されたり、そのためどれをどう分け合うのかで揉めたりすることが実は跡を絶ちません。遺留分制度などやめてしまえば、遺言は、「争族人」を生むことなく、故人の意思が生かせることは事実です。
実際アメリカでは州によっては遺留分は配偶者のみに与えて、子どもにはないとしている法律もあります。もしある人が愛人に全遺産をやってしまったとき、配偶者は遺留分を主張して一部を取り戻せますが、子どもたちは遺留分権がないので何もいえず、遺産相続でいつまでも揉めることはありません。

日本でもこうした制度に法律を変えることは可能ですが、今のところ子どもも平等に遺留分が認められていて、このため相続争いは熾烈を極めることも珍しくないのです。
遺留分の放棄は相続の開始前で、しかも家庭裁判所の許可を受けたときに限り、その効力が生じます。
例えばA・B・C3人の子どものうち、次男Bが「親を看ることはできないので、将来自分は父の遺産はいらない」といったなら、その人には直ちに遺留分の放棄をしてもらっておいてください。そうしないと、父が遺言で全財産を長男と三男に分配してしまっても、後に次男から遺留分を主張してくることはままあります。このため相続は争族と化すことも少なくありません。実際、遺留分はある人には救いですが、ある人には障害となってしまうのですネ。遺言者の意思を最後まで貫徹させる方法としてもこの遺留分放棄という制度は、もっと活用されるといいと思います。
