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金融教育に関する実践報告コンクール

「金融教育を考える」第6回小論文コンクール(平成21年)

講評

「金融教育を考える」第6回小論文コンクールでは、「金融教育に関する授業や学校行事での実践報告」「これから取り組んでみたい金融教育」「これからの時代に求められる金融教育」「金融教育をさらに普及していくための提言」「その他(自由テーマ)」の5つのテーマを設定しました。教員や研究者、教員を目指す大学生から25編の作品が寄せられ、厳正な審査を経て、優秀賞4編と奨励賞3編の入賞作品が選ばれました。優秀賞となった4編を紹介します。

「これからの時代に求められる金融教育 ~早期に金融教育の独立教科化、一貫教育化、専門教員を拡充することを提言する~」は、金融教育の現状と課題をとらえた上で、独立教科化・一貫教育化といった大胆な提言とその実現に向けた具体策を述べた論文です。筆者は、「生きる力」を意欲+環境適応能力と定義し、生きる力の一翼を担う金融教育はそうした能力を増進させる教育でなければならないと主張しています。金融広報中央委員会が整理するキャリア教育、経済や金融のしくみ、消費生活・金融トラブル防止、生活設計・家計管理の4分野を「生活・金融経済教育」として独立教科化し、現在の「総合的な学習の時間」をこの「生活・金融経済教育」とすることを提案しています。そして、本教科を小学校から高校までの一貫プログラムとすることのほか、担い手についても、証券アナリストやFPなどの有資格者を教科専門教員として任用することなども提言しています。提言型の論文の中で、現状の整理・提言内容について高い評価を得ました。

「働く喜びを引き出すキャリア教育 -木工製品の製作から販売まで-」は、技術科の「ものづくり」を販売活動とつなげて実施している点が新鮮な実践報告です。選択技術の授業においてプランターカバーやベンチなどの木工製品を製造し、これらを販売することを通じた金融教育を取り上げています。班単位での製作作業において、買う人の視点に立つことで品質重視の姿勢が生まれ、また学校外での販売活動を開始することにより、生徒が商品を売ることの難しさと楽しさを感じ、さらにこうした経験がコミュニケーションや適正な価格決定の重要性についての気づきにも繋がったことをこの取組みの直接的な効果として報告されました。また、完成度の高い作品を目指すことで生徒に高い満足感や充実感を味わわせるとともに、作品の校外における販売活動が、授業の本来の目的であるものづくりへの意欲向上ももたらし有効であったという点も指摘しています。キャリア教育の視点に立ち、生徒に制作・販売の両方を体験させるという活動に今後さらなる広がりが期待できる点が評価されました。

「地産地消にこだわる(株)『HIRAJIMA 海の幸・山の幸プロジェクト』の実践から~金銭・金融教育のさらなる可能性を希求して~」は、小学校4年・総合的な学習の時間で、地域に密着した農漁業の生産と販売を体験し、健全な経済感覚と自己肯定感を高めることを目指した内容です。児童たちが200円ずつ出資して「会社」をつくり、山の幸プロジェクト(シイタケ栽培)、海の幸プロジェクト(ワカメ養殖)を農家・漁業協同組合員の方の協力を得て進め、製造・販売し、その収益金により、市の福祉協議会への車いす寄贈、人権学習でお世話になった先生との遠足などを実現しています。さらに、親子でおかねの価値を考える機会を設け、家庭とも連携を深めました。本実践は児童たちの自己肯定感が向上するとともに、保護者からも「生きた社会勉強」として高い評価を得ました。特に大規模かつダイナミックな実践を、複数年に亘って異なる児童に対して異なる教師が指導し、継続・発展させた点が高く評価されました。

「生産・加工・販売・消費活動 ~第一・二・三次産業と買い物の取組~」は、総合的な学習の時間の実践で、農産物を材料に栽培、加工、販売・消費の各工程を体験させる中で、生徒の金銭感覚や消費生活能力の育成に結びつける内容です。サツマイモを加工したスイーツづくりでは家庭科、販売計画作成では社会科とも連携して学習を進め、生徒たちは農産物に付加価値を付けることの有効性や経営の基本、労働の厳しさ、おかねを稼ぐことの難しさなどを実感していきます。学習のまとめとして、金融トラブルの実態やおかねの有効な使い方をテーマにした親子のマネー教室も実施し、実践前後に行った金銭感覚診断テストにおいて、生徒の金銭感覚の改善状況が見てとれたと報告されています。この実践は、複数教科のコラボレーションにより取り組まれた点が高く評価されており、今後、多くの学校で参考にできる活動とみられます。

本コンクールについては今年度も残念ながら昨年度に続き特賞の授与を見送る結果となりました。さまざまな実践報告を寄せていただきましたが、審査員からは新たな事例・論文としての構成、内容という点で特賞に値する作品は見当たらなかったという評価がありました。学校現場では、いろいろな実践が行われていますが、活動内容にはややマンネリ感もみられるとの指摘もありました。また、実践報告については、研究の主題や設定理由、研究の目標・仮説、目標とする児童・生徒像、年間(単元)の指導計画、検証・成果など教育指導等を進める上で必要となる情報を適切に整理し、盛り込むことにより、論文としての質が高まるとの意見が出されました。授業カリキュラム全体を体系的に論じるなど、より質の高い本格的な論文の応募を期待しています。

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  • 日本文学研究者・早稲田大学特命教授 ロバート キャンベルさん
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