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高校生小論文コンクール

「金融と経済の明日」第2回高校生小論文コンクール(平成16年)

キミのホンネで日本経済を変えてみないか?

「お金―夢への架け橋」

特選・日本銀行総裁賞

栃木県 栃木県立氏家高等学校 3年 中野 祐里

私には、音楽に関わる仕事に就くという夢がある。そのために、この先の進路は専門学校にした。しかし、その学校へ行くにも入学金や交通費、その他もろもろのお金がいるのだ。そこで私は、私の夢にはどれだけお金がかかるのかを考えてみた。

まず、専門学校は2年制なので、2年間の学費である。最初の1年でだいたい100万円。2年でだいたい80万円。計180万円。次に交通費。電車で通うので、6ヶ月の定期を使って2年間分買うと、計32万円。その他もろもろの諸経費(例えば衣服や雑貨費)を2年間で30万円程かかると想定し、全ての合計を出すと、約242万円かかるという結果になった。

しかしこの金額は、あくまで最低なので、確実にこれ以上の出費となるだろう。

それでは、もしこの金額を私が稼ぐとしたらどうなるだろうか。アルバイトをすると仮定して考えてみることにした。

時給が750円だとして、週4日、1日5時間働くとすると、242万円を稼ぐのには実に、2年半もの年月を必要とするのだった。しかしこれは、稼いだお金を1円も使わず、丸々貯めると想定した場合なので、実際にはもっとかかってしまうだろう。ということは、私は学校へ通う年月よりも長く稼がなければならないのだ。

しかしながら、実際私が計算した約242万円のお金さえあれば、果たして夢が現実のものとなるのかと言うと、そうではない。何故ならば、いくらお金を出して専門の学校へ通おうとも、自分自身が向上しなければ全く意味が無いからだ。

例えば、そうして入った学校なのに、面倒くさいなどという理由で、だんだん遅刻や欠席をしがちになり、あげくの果てに結局退学してしまう……。このようなことが起ってしまったとしたらどうだろうか。まさに“金の無駄・時間の無駄”をした、と言えるだろう。そうして夢は無惨にも砕け散ってしまうのである。

いかにして、時間とお金とを上手く使いこなし、夢を現実へと導いていくかが重要なのだ。

ここで、夢を現実化した人についても考えてみようと思う。今季開催されたオリンピックでは、日本はまれに見るメダルラッシュであったが、そのメダリストたちをテレビで見た時、彼らは「小さな頃からオリンピックに出て、メダルをとるのが夢でした」とよく口にしていた。

そのテレビは、メダリストのこれまでの道のりも紹介していた。そこでは、その選手を陰で支える人々が沢山いたのだ。その人々の中には、練習面や精神面をサポートする人も含まれていたが、“スポンサー”という金銭面でのサポートもあったのだ。

もし、このスポンサーがいなかったとしたらどうだろうか。満足のいく練習が出来る場所が確保できるだろうか。練習に使う道具が得られるだろうか。先程も述べたが、必要な金額を得るためには、十分な時間が必要である。

しかし選手達は、自分自身を向上させるのに時間を費やすため、それを得ることが出来ない。そんな時、選手達が安心して練習にはげめる様な環境を提供するという、重要な役割を担っているのがスポンサーであった。このようにして、オリンピックの選手達は、沢山の人に支えられて自分の夢を叶えたのだ。

つまり、オリンピックの選手達は、私が重要であると考えた、『いかにして、時間とお金を上手く使いこなし、夢を現実へと導くのか』という問題をすべてクリアし、尚且つ、自分自身が向上するという課題もこなし、夢を現実へと導いてしまったのである。

では、こうした中で重要だと挙げた“スポンサー”は私の場合いるのだろうかと考えた。私が夢への第一歩としてかかるであろうと計算した金額を稼ぐには、実に長い年月が必要であるということは既に立証済みである。そしてこのことから、今から卒業までの約半年では、どんなに頑張ったとしても到底貯められないということも分かる。このことを、身近な相談者である母に話してみた。

するとその話を聞いた母は、「大丈夫、あなたが学校へ行くための蓄えはある」と言ってくれた。その言葉を聞いて私は、母が私のスポンサーだということに気が付いた。これで金銭面での心配は解消したかに見えた。

がしかし、実は、私には兄と妹がいる。2人ともまだ私のように学生であるため、まだまだお金がかかる。従っていくらスポンサーと言えど、よもや私にだけ投資してもらう訳にもいかず、結果的には今以上の負担をかけることになってしまう。

そこで、なんとかしてその負担を軽くできないだろうかと考えた。その結果、別のスポンサーの存在に気付いた。そのスポンサーとは、“奨学金”であった。これを別スポンサーとして利用することができれば、親への負担を軽くできるのだ。ただこれには、書類審査があり、通らなければ借用できないのだ。しかし、私は親になるべくならこれ以上の負担はかけたくないので受けるつもりである。

こうして私はとりあえずではあるが、スポンサーを得ることができたわけだが、しかしあくまでもこの両方のスポンサー(特に奨学金)はもらっているわけではなく、借りているのだ。ならば返さなければならない。学生のうちでは到底返せないとしても、卒業して収入を得られるようになったら、奨学金はもちろんのこと、親にも少しずつ返そうと考えている。

私は冒頭で、夢を叶えるためへの足がかりとして専門学校という進路を選択したと述べた。初めはただ突き進むだけで、かかるはずの膨大なお金のことなど気にもとめていなかった。

しかし、今回自分の夢を検証してみて改めて、夢を実現させるためには、沢山のお金と時間が必要であること、更に自分が向上するんだという意欲や気力、そして努力が必要であり、重要であることを思い知らされた。特に、お金は、私の夢に近づくための架け橋ともいうべきものである。

これらをふまえた上で私は、『いかにして、時間とお金を上手く使いこなし、夢を現実へと導くのか』ということを課題とし、今後私自身のさらなる向上を心がけ、いつの日か、必ずや夢を現実のものとしたいと思う。

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