ナビゲーションをスキップして本文へ

これより本文です

高校生小論文コンクール

「金融と経済の明日」第2回高校生小論文コンクール(平成16年)

キミのホンネで日本経済を変えてみないか?

「ご利用は計画的に」

秀作

静岡県 静岡雙葉高等学校 2年 長谷川 萌

私はクレジットカードの世話になったことはない。

考えてみれば、クレジットという言葉を初めて知ったのは、私が小学校低学年のときであった。母と一緒に出かけたとき、やはりまだ1、2年生なので、自分の財布を持っていったりはしない。ところが、それでも子供のことであるから、何かを見て欲しくなってしまうということはあるものだ。

母に頼んで買ってもらうこともあったが、大抵は母に金を借りるという形で買ってもらい、家に帰ってから返した。言ってみればクレジットのようなものであり、そのときに母からクレジットということの意味を教えてもらった。

具体的に何を買ったかは、もはやあらかた覚えていないが、ひとつだけ強く印象に残っているものがある。それは腕時計であった。2年生のころ、大人が持っているような腕時計に憧れて、どうしても欲しいと思った。ただ、私の小遣いでは足りず、腕時計には手が届かない。そこで私は、買い物に出かけたときに、母にこう持ちかけた。

腕時計が欲しいのだけれど、必ずお正月にお年玉を貰ったら返すから、買ってくれないか――と。

返事は否。私はよいと言ってくれるものだと思っていたので、その返事にひどく落胆した。必ず返すと言っているのに、どうして信じてくれないのか、と憤慨もした。

しかしながら、その正月に貰ったお年玉の額は、私の欲しかった腕時計の値段には達していなかった。というのも、いつもの正月よりも少ない額しか貰えなかったのである。

このことから私は、まだ手に入っていない、手に入る「予定」の金を払う約束をするということは不確実であり、便利なようだけれども思わぬ落とし穴もあるのだと知った。この教訓は、今も私の金に対する観念に影響している。

これをもし、私が母でなく、金融業者から金を借りようとしたのだったらどうなるか。当然、金を貸してくれるだろう。しかし、返すことが出来ない私は、かさむ利子を抱え、それを払うために別に金融業者から借金、ついには自己破産も考えられる。

クレジットカードであっても、請求書が来るまで一月近くかかるので、三日後に手に入る「予定」の金を当てにして、持っている額以上の金を使ってしまうことも考えられる。特に、クレジットカードであれば、金融業者から金を借りるより抵抗が少ないし、何より簡単である。

今持っている以上の金を借りない。常識のようで、陥ってしまいやすい落とし穴ではないだろうか。

クレジットカードを持たなければいい。だが、それは本当に解決策だろうか。クレジットカードは便利である。現代のような社会で、クレジットカードを持たないということは不可能といっても過言ではなかろう。

また、家などの大きな額の買い物をするときには、大半の人がローンを組む。一度に払うにはかなりの経済力が必要だし、仮にその金が手元にあったとしても、定期預金にしてあることも少なくないからだ。だから、一時的にしろ、長期的にしろ、金を借りるということを頭から否定してしまうのは偏った考え方ということになる。

さらに、私の身近な種類の一種のローンとして、日本育英会のようなものがある。奨学金制度は、進学のための金を貸与するものだ。ただ、ビジネス的な面が大きいローンとは、その性質を異にする。

日本育英会の奨学金の焦げ付きが報道されたのも記憶に新しい。この問題は一方で、厳しい取立てがなければ返さない人が多いという実情をも表している。勿論、経済的に苦しく、どうしても返すことが出来ないが、少しずつでも返しているという人もいるだろう。

しかし、1500億円は想像を絶する額である。ビジネスである、いわゆる「サラ金」の取立てが厳しいのも、仕方のないことなのかと思わざるを得ない。

ともかく、家を建てたり、進学のためだったりする大きな金額のローンは、きちんと返せるならば一向に構わないものであるし、その仕組みもよく出来ているものだと思う。

しかしながら、日本育英会の焦げ付きの例からも分かるように、その返済には緻密な計画性が必要だ。奨学金を予定通り返済できていない人も、まさか最初から踏み倒そうと考えて、もらったわけではあるまい。銀行から借りたならば、返済が滞ればブラックリストにも載ってしまいかねない。

そんなことがないように、我々はどうしたらよいのか。一番確実なのは、きちんと計画を立てることである。年に浮く金をすべて返済に費やすのもかなり無理がある。出来る範囲で、無理のない返済をしたいものだ。

さらに、病気や怪我といった不慮の事態にも、返済できなくなるということがないよう、家族とも事前によく話し合っておく必要があるだろう。

私も将来、ローンを組むことがあるかもしれない。その時にも、これらのことを忘れず、計画的に利用したいと思う。

著名人・有識者が語る

  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
  • マラソンランナー 谷川真理さん
  • 数学者 秋山仁さん
  • TVキャスター 草野仁さん
  • サッカー選手 澤穂希さん
  • ピアニスト 梯剛之さん
  • 女優 竹下景子さん
  • 食育研究家 服部幸應さん
  • おもちゃコレクター 北原照久さん
  • 宇宙飛行士 山崎直子さん
  • 早稲田大学名誉教授(工学博士) 東日本国際大学副学長 エジプト考古学者 吉村作治さん
  • 工学博士 淑徳大学教授 北野大さん
  • 登山家 田部井淳子さん
  • 音楽家 タケカワユキヒデさん

おすすめコンテンツ

  • くらし塾 きんゆう塾
  • 刊行物のご案内
  • 金融経済教育推進会議
  • ナビゲーター
  • YouTube
  • メディア情報