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高校生小論文コンクール

第12回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクール(2014年)

講評

第12回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールには、これまでで最も多い2,816編の応募がありました。テーマは金融や経済に関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

実生活での家計のやり繰りから、消費者と事業者の関係、地域振興や活性化に至るまで、多種多様な内容の作品が寄せられました。特選に選ばれたのは、次の5編です。

金融担当大臣賞「地元商店街の未来」の筆者は、自分の街に間もなくできる大型ショッピングセンターが地元商店街の客と売り上げを瞬く間に奪うのでは、との報道に接し、市の見解を聴きに市役所を訪ねます。漠然と商店街の必要性を感じていただけの筆者は、担当者の「商店街が無くなるのは、市の歴史と魅力を失うこと」との言葉に納得し、次に商店街の人たちの考えを知るべく商店街復興組合で話を聴きます。筆者はそこで、店ごとの考え方の違いなど様々な理由から商店街組織の結束力が弱いこと、商店街を活性化させるには若者の力が必要であることに気付きました。そして、利用者のニーズ調査を基に商店主らが一丸となって持続的な戦略を立て主体的に実行することが重要で、自分も住人として街の歴史・魅力でもある商店街を残すことに貢献したい、と結んでいます。審査員からは「現場の声を聴きに行く行動力、商店街が活気を失った原因の分析力が優れている」と高く評価されました。

文部科学大臣賞「消費者の選択」は、スーパーの店頭に並ぶ商品と利用者を分析して、地域の特性と店の在り方の関係を考察した作品です。筆者の祖母宅近くに開店したスーパー「β1」は自宅近所のスーパー「β2」と同系列ですが、筆者はβ1に入ってみて違和感を覚えます。取り扱っている商品を比べてみると、β1は生鮮食料品の品質を重視、惣菜は少なめで和風も洋風もあるが少量パックが多い。β2は生鮮食料品の価格を重視、惣菜は量が多めで洋風が多い、等の違いが見えました。客層も観察し、店の半径約500メートル内の人たちの年齢、性別、職業、家族構成、ライフスタイルや嗜好からくる特性が、店の品揃えやサービスの違いに影響しているのではないかと考えます。筆者は、競合店の有無や通りに面しているかなどの立地条件も大切だが、店を作るのは店を選ぶ消費者で、消費者が要望を積極的に店に伝えることで双方が不可欠の存在になる、と結論付けました。審査員からは「違和感から情報を収集して分析し、答えを導き出すという学びの循環ができている」との高評価を得ました。

日本銀行総裁賞「受け継がれる想い」は、三代にわたり金融関係の仕事に従事してきた曽祖父、祖父、父の生きた時代と仕事に関し、3人の想いを受けとめる筆者の決意が書かれている作品です。曽祖父は戦後の復興期に地元の銀行員として、融資対象企業の経営者の信用力を見極め、その融資が日本の未来のためになるかを判断して経済の基礎を作り直す過程で社会に貢献した、と筆者は親から聞きます。その基礎の上に祖父は生命保険の「家族の経済危機を減じる」という存在意義を世に問いかけながら普及に尽力し、同じ保険業界にいる父は、少子高齢化など現代日本の懸案に向き合って知恵を出そうとしていると紹介しています。祖父と父の会話から仕事への想いが「心に染みてくる」という筆者は、四代目の金融人になるかどうかは分からないが、自分も「何らかの価値を生み出さなくては存在意義がない。先人の知恵と勇気を追い風に、この国の良き未来を創ることに貢献したい」と決意します。「金融の社会的機能や意義を踏まえながら、そこに生きた人の想いまで書いている」「3人の仕事と時代の関係を上手く表現している」点が授賞理由として挙げられました。

全国公民科・社会科教育研究会会長賞「私の思い描く笑店街」の筆者は、地元信用金庫との連携の下で行われた「ファイナンス」という授業において、シャッター商店街を復活させるために考えたことを綴っています。1年目の課題であった地域活性化戦略としては大学生によるお祭りを提案、2年目の新しい金融商品の提案という課題には、従来から学校で実施している販売学習を商店街で実施することを考え付きました。商品の企画開発、ゆるキャラ考案から接客、高齢顧客の話し相手になることまで高校生が担当し、投資ファンドで募った資金は、元金の半分を商店街に寄付し、残り半分に利益分を上乗せして返済します。この仕組みは、商店街復活だけではなく、買い物難民の減少、地域の防犯、起業家育成といったメリットがあると述べ、筆者は京都から、面白く笑顔の絶えない「笑店街」を全国に広げることを夢見ています。審査員から「問題整理だけでなく、自分が行動していることを具体的に訴えている」「自分に何ができるかをよく考えている」といった点が評価されました。

金融広報中央委員会会長賞「『生活費』の難しさ」の筆者は、父親と2人で暮らしています。お小遣いと生活費という2種類のお金を渡されて、同じ財布に入れて管理する生活を始めて数か月。(1)使ったお金の用途、額と残額をこまめに記録する、(2)節約する、(3)小遣いから出す物と生活費から払う物を細かく区別する、という3つのことを心掛けています。月に一度入って出ていくだけだったお小遣いは、計画的な使い方でたまるようになり、「買い物はこんなにも頭を使うものだと知った」といいます。将来の一人暮らしを考えると、料理や洗濯が手早くできるようになり、ごみの日を覚えて戸締りを忘れない習慣がついても、税金や保険金などのお金のやり繰りをすべて自分でするのは無理と感じる一方、高校生が2種類のお金を管理するのは実は恵まれた経験かもしれないとも述べています。そして、お金を預けられた信頼に応えるためにも、「責任を持ってお金を管理していきたい」と力強く語ります。審査員から「体験を自分の言葉で上手く表現している」「小遣いと生活費の違いなど意外によく分かっていないことに気付いている」「しっかりと行動していて好感をもてる」などの声が上がり入賞しました。

著名人・有識者が語る

  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
  • マラソンランナー 谷川真理さん
  • 数学者 秋山仁さん
  • TVキャスター 草野仁さん
  • サッカー選手 澤穂希さん
  • ピアニスト 梯剛之さん
  • 女優 竹下景子さん
  • 食育研究家 服部幸應さん
  • おもちゃコレクター 北原照久さん
  • 宇宙飛行士 山崎直子さん
  • 早稲田大学名誉教授(工学博士) 東日本国際大学副学長 エジプト考古学者 吉村作治さん
  • 工学博士 淑徳大学教授 北野大さん
  • 登山家 田部井淳子さん
  • 音楽家 タケカワユキヒデさん

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