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高校生小論文コンクール

第14回 「金融と経済を考える」高校生小論文コンクール(2016年)

講評

第14回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールには、2,486編の応募がありました。テーマは金融や経済に関することであれば「自由」です。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

待機児童問題、貧困問題など現代日本の抱える諸課題を、高校生なりの視点から真剣に論じた作品や、高齢社会における社会保障や地域振興策について具体的に提案した作品、身近にある経済や金融について考えた作品など多種多様なテーマで応募がありました。その中から特選に選ばれた5編の概要を紹介します。

金融担当大臣賞「高齢化社会を考える」の筆者は、2カ所の接骨院の治療費に差があったことから、医療費の仕組みに興味を抱き、国の歳出で最大比率を占める社会保障費が高齢化の進行で更に膨らむことを知りました。筆者は、過剰な検査や薬を減らして国の医療費負担を抑えるためには、患者をよく知る「かかりつけ医を作る」ことだと主張。高齢者の心の健康を保つためには、「地域の高齢者ネットワーク」や「高齢者に接する機会を増やす」ことが大事だといい、筆者も「田舎の祖父母と積極的に連絡を取るよう心がけたい」とつづります。相互扶助の精神と体操などにより国民全員が健康維持に努めることで、医療費を節約すべきと述べ、国の借金を減らし健康な高齢者を増やすことが、ひいては若者の老後のためにもなる、と結んでいます。「体験と総論的なことを上手く関連させている」「多くの資料にあたってまとめている」「解決法が具体的」などの点が審査員に支持されました。

文部科学大臣賞「学校施設の活用による社会貢献」は、今年度大きくクローズアップされた待機児童問題をテーマにしています。子供の預け先がないために働きたくても働けない女性が多いのに、保育園の新設が難しい中、既存の学校施設内に「保育室」を確保するという解決策を提案。また、保育士不足には、保育士の試験実施回数を増やすことで資格を取得しやすくしたり、育児経験者を活用したりすることで保育現場の働き手を増やせるとも提言しています。働きたい人が働くことができ、子供を育てたいと思える国にすること、こうした社会問題を解決することが、結局は経済発展につながる、と結論付けています。「文章構成力が優れ、論旨が一貫している」「具体的な問題提示・解決法提示がされている」などの点が授賞理由として挙げられました。

日本銀行総裁賞「移る世が映し出す日本の在り方」は、歴史的視点を踏まえつつ、経済における人材育成の重要性を訴えた作品です。筆者は、製塩で莫大な財を成した地元企業家の旧家や日本各地の旧家を訪れるうち、企業の栄枯盛衰における共通点に気づきます。自然環境や産業構造が変化すると、それまでの常識的な手法は次第に通用しなくなるため、常に新しい流れに「アンテナを張り続け」、「今持つ技術を他分野で新しい形で応用できないかと考え続けること」が大事だと強調。繁栄期が短くなった現代、「基幹となる唯一無二の技術を作り上げ、世界標準規格を確立することがその事業に長期繁栄をもたらす」と述べています。そして、土台となる技術で得た資金を、目利きと決断力に優れ広い視野を持つ人材を育てることに投入すべき、と結んでいます。「内容に説得力がある」「経済の活力はイノベーションであり人間の創意工夫だという考えから、人材育成の重要性にまで言及した点が良い」と非常に高く評価されました。

全国公民科・社会科教育研究会会長賞「観光のその先へ」の筆者は、「地域課題研究」の授業で、北陸新幹線が開業した金沢の「外国人観光客のリピーターを増やす」というテーマにグループで取り組みました。そのリピーターの口コミ力で金沢の伝統工芸や文化を世界に発信するという観光の先の展開も想定しています。外国人観光客の受け入れ状況をインタビューした結果、石川県に3つの提案をしました。日本の習慣やマナーに関する外国人向けイラスト付きポスターの作成、一般市民向けのマニュアルの普及、双方向性や拡散力のあるTwitterでの情報発信です。筆者は、北陸新幹線による石川県への経済波及効果がどうなるかは「自分たちの行動にかかっている」と言い、「できることを考えながら成長していきたい」と述べています。「時間をかけていろいろな角度から掘り下げている」「自分で集めた情報が多く説得力がある」「高校生らしいアイデアを具体的に述べている」などの声が上がり入賞しました。

金融広報中央委員会会長賞「深刻化するシングルマザーの貧困」の筆者は、母子家庭に育ち、その母も働き過ぎで発見が遅れた病気で亡くなるという自らの体験を踏まえ、日本の貧困問題に正面から向き合って本作品をまとめました。ひとり親家庭には、生活苦という「金銭の貧困」、子供と一緒にいる時間が少ない「時間の貧困」、肉体的・精神的疲労からくる「健康状態の貧困」、周囲と繋がりにくい「関係の貧困」の4つがあり、自分の家も4つの貧困に当てはまっていたと述べています。シングルマザーには児童扶養手当の支給や医療費免除などがあるが、手当は生活費に回され支援制度は十分とは言えないと自身の体験から述べるとともに、市内の介護事業所で働くことで最大400万円の助成をするというある市の独自の制度を紹介し、子どもの転校など考えなければならない点はあるが、このような良い事例は他の自治体も取り入れるべきだと主張します。「家賃を払えない母子の無理心中や貧困からくる児童虐待など最悪の状況に陥る前に助けたい」、支援制度は国だけではないと「多くのシングルマザーに伝えたい」と最後に訴えています。「自分の体験から問題を提起しており説得力がある」「実際に行われている取り組みを調べて解決策を提案している」といった点が評価されました。

著名人・有識者が語る

  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
  • マラソンランナー 谷川真理さん
  • 数学者 秋山仁さん
  • TVキャスター 草野仁さん
  • サッカー選手 澤穂希さん
  • ピアニスト 梯剛之さん
  • 女優 竹下景子さん
  • 食育研究家 服部幸應さん
  • おもちゃコレクター 北原照久さん
  • 宇宙飛行士 山崎直子さん
  • 早稲田大学名誉教授(工学博士) 東日本国際大学副学長 エジプト考古学者 吉村作治さん
  • 工学博士 淑徳大学教授 北野大さん
  • 登山家 田部井淳子さん
  • 音楽家 タケカワユキヒデさん

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