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金融・生活シンポジウム2002

変わる金融、変わる消費者~自己責任時代を賢く生きる~

パネルディスカッション

(4) 消費者に求められる変化

佐藤 金融を学ぶ機運が高まってきていることは結構なことですが、こうした変化の時代を賢く生きるというのは非常に難しいと思います。変化の時代の乗り切り方を翁さんからアドバイスしていただけませんか。

 二つ申し上げます。一つは、個人個人が主体的に取り組んでいく姿勢が本当に重要だということ、もう一つは、消費者に対して金融学習を支援していく仕組みが非常に重要ではないかと思っています。

高校生くらいからの教育に加えて、社会人になってからも体系的に学習する機会を増やして、我々が主体的に取り組めるような環境を作りだすことも、これから重要になっていくのではないかなと思います。

佐藤 野中さん、いかがでしょう?

野中 お金ってなんだろう、というのを捉え直して良い頃かな、と思っています。お金とは貯めておけば幸せになるというものでは決してないということに、そろそろ気づいてもいいかなという気がしています。

私も、小さな一歩として、金融のことを学べるNPOを立ち上げるお手伝いをしはじめました。主人公は私たちだというのをあえて、この自己責任の時代に強く思うことをお勧めします。

佐藤 伊藤さんはこの夏アメリカに行かれて、金融教育の実態を見てこられたそうですが。

伊藤 その前に私の場合は「資産ってなんだろう」ということをいつも言うのです。経済的資産だけを持っていて、心が貧しいとか文化もないとかいう方は、本物の資産家とはいわない方がいいのじゃないかといつも思っています。

人間の豊かさを全体で資産と考えて、そういう形の資産形成をより豊かにしていきましょうという時代じゃないかなと思います。その上で、個人でお金のことを勉強していかなければいけないと思っています。

そこでアメリカで、広く金融とか経済の教育がなされている中で一つの例をご紹介します。アメリカの全国金融教育基金、ニフィーという団体が高校生向けにお金の勉強をしてもらおうと無償でテキストを配布しています。このプログラムが良くできています。

最初がファイナンシャルプランニングで、まずプランを立てましょう、と。資金計画も立てる。2番目が進路で、一種のキャリアプランですね。将来の生活費や家庭の話もあります。3番目に予算、実はアメリカでは家計簿はほとんどなくて、予算管理簿というのがあります。次に貯蓄と投資の勉強をする。五番目にクレジットカードやローンについて気をつけなければならないことがいろいろ書いてあって、最後が保険です。

このように金融全体について、トータルに勉強することになっています。こういうことが日本の学校教育の中でも必要だし、社会に出てもトータルに勉強していくことは必要かなと思うのです。

もう一点、アメリカやヨーロッパで最近盛んになっている投資で、社会的責任投資、SRIというのがあります。良いことをやっている企業に投資して、世の中を良くして自分もリターンを得るという、本来の投資法です。

アメリカですと昨年のエンロン以来、誠実に企業の統治をしている企業なら投資するに足る、という問題提起が強まっているという状況があります。そういう観点も、日本で私たちが投資に取り組む場合に必要ではないかと思います。

佐藤 アメリカのシステムはかなり十分な体制ができているような印象がありますね。翻って日本はまだまだそういう体制になっていないのかな、結局は自分でやらなきゃいけないのかなと結論めいたものが見えてきた気がいたします。これだけはもう一度強調しておきたい、ということがあれば、みなさん一言ずつお願いします。

野中 世界経済のなかで何を見て何のためにルールや、規制、システム、制度を変えようとしていくのかということを、大きな広角レンズのメガネをかけて常に見るという心構えが必要です。

そしてもう一つは、これが大事だな、と思ったことについては自分を軸に自分で考えてみる。主人公はあくまで自分であることに気づくと大変可能性に満ちた面白い豊かな国だとわかってくると思います。

 最終的に個人が結集すれば、金融自体をも変えていく力になりうるものだと思います。これからの消費者の行動は、日本の金融システムだけでなく、経済をも変える潜在的な力を秘めているものだと申し上げたいと思います。

伊藤 金融商品の選択も生き方も、自分なりのスタイルを作っていく時代だと思います。自分なりの幸福を追求する時代になっているので、金融商品もそういうことに役立つ選び方を是非していただくといいと思います。

佐藤 自己責任時代と言いますが、自分がしっかりと勉強しなくてはいけないと言われた気がします。つまり、変化に対応できる知識、自分の考えを持たなければいけない、自分のライフプランを持ちなさい、ということなのかなと思います。

著名人・有識者が語る

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