金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2008
実施報告
大人のおかねセミナー 知るぽると金融教育教室
お金のかしこい使い方 ~3つのSから考える~
開催場所:西セミナールーム 定員90名(各50分)
開催時刻:10:30~11:20
対 象:大人向け
講 師:(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会
NACS本部事業委員会 消費生活アドバイザー 坂根 裕子 氏
あなたはお金をどう使っていますか?限りあるお金の使いみちを3つのS(Spend、Save、Share)から考えてみたいと思います。私どもが中高生対象に金銭アンケートを行ったところ、その6割が自分の家の経済生活を知りませんでした。収入の範囲で支出を納める基本を練習しないと、足りなくなった時に借金に走ってしまいます。
大手消費者金融5社の新規契約者の42.8%は「20代以下の若者」という調査結果も出ています。そこで金銭教育が進んでいると言われているアメリカの中高生にアンケートを実施し、日米の違いから日本に何が足りないかを考えてみました。
アメリカでは「小遣いをもらっている」が4割で、6割はアルバイトで収入を得ていました。前者のうち8割は、家庭の中で何らかの手伝いを求められており、無条件でもらっているのは1割に満たないということです。一方、日本は約9割が親が働いて得たお金を小遣いとして無条件でもらっていました。親が子どもへ小遣いを渡す時に「家族の一員として手伝いもしてね」といった言葉を添えるのも良い方法ではないかと思います。
アメリカの子どもは、お金の使い方を3つのSで教えられています。「Spend」は自分のために使うお金、「Save」は将来使うための貯金、「Share」は他人のために使うお金です。「Spend」は、色々と買いたい欲望(=支出)を収入の範囲内に納める練習です。何かを買ったら何かを諦める。収入が減ったら支出も減らす。足りなくなって、親から借金したら必ず返す。親子だからと棒引きにすれば、子どもの収入を増やすことになってしまいます。また、ものを買うことで社会に貢献することもできます。買い物は企業への投票行動です。
次に「Save」。アメリカでは94%の人がアルバイトで得た収入を貯金しますが、日本は60%です。貯金は『自分の夢は自分で掴む』ために大切なことなのです。
人のために使う「Share」には、母の日のギフトとか誕生日プレゼントなども含まれます。寄付した経験のある子どもは、アメリカが45%、日本は20%です。アメリカでは教会で寄付を募っている場合がありますが、日本の子どもはそうした経験が少ないだけで、社会貢献したい気持ちは持っているのです。良く考えた上でお金を3つのSに分けて使うと、限られたお金でも大きな満足を得られます。