金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル in the Galaxy
6F 大人の宇宙おかね教室 知るぽると金融教育セミナー
消費者が準備したい葬儀費用
講師:(財)日本消費者協会
消費生活コンサルタント 佐伯 美智子 氏
日本消費者協会は、昭和58年に第1回の葬儀費用のアンケート調査を行い、平成19年に8回目の実態調査と意識調査を行いました。その結果、最近の総費用の全国平均は231万円でした。内訳は葬儀社への支払い142万円、通夜の飲食接待費など40万円、お寺さんへ払う宗教関係費55万円などです。ほかに香典返しや埋葬費用が必要です。葬儀社への支払は、祭壇や棺、人件費などの葬儀にかかる直接費用と、葬儀社が立替え払いする葬儀の会場費や火葬場の費用等の別建て費用がある点に注意してください。
費用は地域によって差があります。全体費用は、東京付近では350万円から安いケースでは50万円に満たない例もあります。飲食接待費は最近、お客様に出す場合1人あたり1000円は掛ります。
お寺に払うお布施も非常に差があります。お寺との付き合いが無い場合は葬儀社にお寺を紹介してもらい、およその相場を葬儀社に相談し、遺族に親身になってくれたかどうかで金額を決めてよいでしょう。
葬儀の形式では、仏教形式が今回初めて9割を切り、無宗教葬が5年前の1%未満から3.4%に増えました。仏教形式の基本は、ご遺体と三具足(香炉・燭台・花立)があればよいそうです。親族だけの家族葬、自宅で行うリビング葬、祭壇を花だけで飾る花祭壇葬、音楽葬、無宗教葬、偲ぶ会、お別れ会、儀式をせず火葬だけを行う直葬など多彩になっています。直葬の統計はありませんが、東京では2割を占めるとも言われています。
埋葬の形式も変わってきました。核家族や単身者が増え、継承しない永代供養墓や合葬墓が増えてきており、公営の多磨霊園や小平霊園でも作られています。花木を墓碑にした樹木葬墓地も各地に作られてきました。ある葬儀社の堂内陵墓では、カードキーを差し込むと納骨棚から骨壷が出て来て墓参りができます。また、遺骨を遺灰にして船上から海にまいたり、遺灰をプレートやペンダントにすることも可能です。
葬儀や埋葬の形は変わってきていますが、ある程度の費用がかかることには変わりありません。葬儀社に生前のうちに相談をすることや預金、あるいは生命保険などによって、費用の準備をしておくことが後に残る人への負担を減らすことになると思います。