金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル in the Galaxy
6F 大人の宇宙おかね教室 知るぽると金融教育セミナー
金融犯罪にご用心! ~金融犯罪の手口と対策~
講師:全国銀行協会
企画部長 岩本 秀治 氏
金融犯罪は、預金の不正払い戻しと振り込め詐欺の2種類に大別されます。
預金の不正払い戻しとしては、まず偽造・盗難キャッシュカードによるものがあります。犯人は盗んだり、偽造したりして入手したキャッシュカードを使い、預金を不正に払い戻します。ATMでの払い戻しに必要な暗証番号は、犯人がキャッシュカードと一緒に盗んだ免許証に記載されている生年月日などを入力すると高い確率で当たってしまいます。暗証番号に生年月日や電話番号など推測されやすい番号は使用せず、厳重に管理してください。
こうした犯罪の対策として、銀行界では簡単にデータを読み取れない「ICキャッシュカード」への切り替えや、手のひらや指先の静脈で本人確認を行う「生体認証システム」の導入を進めています。
このほか、盗難通帳や、フィッシング・スパイウェアを用いたインターネット・バンキングによる預金の不正払い戻しも発生しています。
預金者を保護するため、平成18年2月に「預金者保護法」が施行され、偽造・盗難キャッシュカードの被害に遭った場合、その被害額を銀行等の金融機関が補償することが法律で決められました。また、盗難通帳やインターネット・バンキングで被害に遭った場合についても、平成20年2月の全国銀行協会の申し合わせに基づき補償することになりました。これは法律に基づかない銀行界での自主的なルールですが内容的には預金者保護法とほぼ同じです。
毎年200億円以上の被害があり、ますます増加しているのが振り込め詐欺です。架空請求詐欺、オレオレ詐欺、融資保証金詐欺など手口は様々ですが、平成20年上半期に急増した手口が還付金等詐欺です。
振り込め詐欺に遭わないため、不審な電話がかかってきたらまず相手に名乗らせましょう。家族で合言葉を決めておくのも有効です。銀行でも、被害を未然に防止するため、ATMコーナーでの携帯電話の通話自粛をお願いしています。また、不審な口座や資金移動がないか監視し、犯罪性があると判断したら出金を停止するなどの措置をとっています。なお、平成20年6月に、振り込め詐欺等の犯罪被害金を被害に遭われた方にお支払いするための法律「振り込め詐欺救済法」が施行されました。
最近、全国各地に私ども銀行協会のニセ職員が出没をしています。銀行協会の職員が一般のお客様に暗証番号をお聞きしたり、キャッシュカードをお預かりしたりすることはありませんので、十分気をつけてください。