金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
暮らしに役立つ講演会
フリートーク
宇都宮 健児 氏 (弁護士)
荻原 博子 氏 (経済ジャーナリスト)
中島 隆信 氏 (慶應義塾大学商学部教授 慶應義塾大学博士〈商学〉)
司会:福澤 朗 氏(フリーアナウンサー)
「大阪のおばちゃん」に学ぼう!
(福澤氏) 中島先生の著書「オバサンの経済学」に、大阪府内の振り込め詐欺の既遂件数は東京都の30分の1で、その秘密は大阪のおばちゃん気質にあると説いてらっしゃいますが。
(中島氏) 大阪のおばちゃんは主体性があり、電話の相手に「俺や俺や」と言われても、誰か聞き返してみる。それだけで、だます意欲が失せるらしいです。弁護士や警察官といった資格者、制服組を偽る犯人にも、権威におもねらず反骨精神のある大阪のおばちゃんは、自分は自分と考えています。この種の詐欺が広まると、賢い奴が出てきたな、と謙虚に受け入れる姿勢が結果的にだまされないことにつながっているのではないかというふうにみています。
(荻原氏) おばちゃんに限らず大阪人は「なんぼや」「まけて」と、恥ずかしがらずにお金の話をします。見栄を張り過ぎると、その隙間に詐欺師が忍び寄ってきます。皆、お金で生きているのだから、お金の話を日常生活の中でどんどんしましょう。
(中島氏) 子どもが小さいころから親がお金の使い方を教えるべきです。
(福澤氏) 金融トラブルに巻き込まれやすい人の性格や傾向は?
(宇都宮氏) 高齢者で、特に孤立している人が狙われやすいですね。高齢者がバラバラになっている社会状況が詐欺や悪徳商法を生んでいる面もあります。
(福澤氏) さまざまな生きる力を学ぶのが金融教育だと感じました。
(中島氏) 生きている以上は消費しているわけで、賢い消費者をつくる教育はイコール「生きる教育」、生きるための力を与える教育だと思います。金融広報中央委員会が発行しているパンフレットなど教材は既にあるので、あとは現場の先生方がどう伝えていくかです。
(荻原氏) 親が、無駄遣いをしないことなどをちゃんと教えることも大事です。金銭感覚が身についていない人が多いので、身につかないうちはカードは使わせないほうがいいです。
(福澤氏) 宇都宮先生は金融教育に何を期待されますか?
(宇都宮氏) 消費者金融を利用する際に何を考えなければならないのか、生活保護の申請の仕方は、といったいわば命にかかわるともいえる問題について、具体的、実践的な事を学校でもぜひ教えていただきたいですね。