金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 千葉会場
千葉県金融広報委員会
金融広報アドバイザー
添田 ミツ江 氏
「給与明細から見える税金・社会保険」
生活リスクの一端を担う社会保険
みなさんは、給与明細をじっくり見ることがありますか。今はお給料が銀行振込で、明細書だけが渡されますから、よく見ずに処分してしまう方もいらっしゃるようですが、年金保険料納付や何かあった時の証拠にもなるので必ず取っておいてください。
毎月の給与から差し引かれる社会保険料と税金の計算では、算定の基礎が違います。社会保険料は、基本給に各種手当、通勤手当などを加えた総支給額を基に計算し、税金は総支給額から保険料や通勤手当などを除いた額を基に計算されます。社会保険料と税金を天引きしたものが手取り額になります。
「給与所得の源泉徴収票」を基に所得税の計算、仕組みを見てみましょう。サラリーマンの必要経費「給与所得控除額」は、実際にかかった費用ではなく、収入に応じて計算式が定められています。給与収入額からそれを引いた給与所得から、更に医療費控除、配偶者控除、配偶者特別控除など14種類の所得控除を引いた課税所得に税率を掛けたものが所得税額です。配偶者の給与所得が年間103万円以下の場合に配偶者控除が受けられます。103万円を超えても141万円以内なら、年末調整で配偶者特別控除が受けられます。
確定申告は、サラリーマンの場合は勤務先の企業などが源泉徴収を行ってくれるので原則必要ありませんが、給与収入が2,000万円を超える人、給与を2カ所以上からもらっている人、給与所得・退職所得以外の所得金額が20万円を超える人は確定申告が必要になります。また、マイホームを住宅ローン等で取得した場合、多額の医療費を払った場合、災害や盗難に遭った場合などは、確定申告で所得税が還付される可能性があります。
社会保険は、①健康保険、厚生年金保険、②労働保険(雇用保険と労災保険)に大別され、保険料は、給料水準に応じて定められ雇用主と労働者で折半です。ただし、労災保険料は、事業主の全額負担です。
雇用保険は求職者、高齢者の雇用継続、最近多い教育訓練などの給付があります。健康保険の高額療養費制度は、一定額を超えた場合、その超えた金額を支給する制度です。例えば、医療費100万円に対し医療機関窓口での支払い額が30万円の場合、高額療養費が支給され、実際の負担は87,430円となります。年金は、サラリーマンの場合、国民年金と厚生年金の2階建てになっています。老後の生活資金は平均約8,100万円かかり、年金は老後の生活費の約6割と言われています。年金は保険料を25年以上納めると受給資格を得ることができますが、それでは不十分です。年金を満額受給できるよう、40年間保険料納付を目指してください。
千葉県金融広報委員会とは
「健全で合理的な家計運営」のために、金融広報中央委員会、財務省関東財務局千葉財務事務所、千葉県、金融機関等が協力して、県民の皆様に対し中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する広報・消費者教育を行っている団体です。