金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 北海道会場
(社)日本損害保険協会 北海道支部
専任講師
上木 英正 氏
「損害保険の基礎知識」
身の回りのリスクに損害保険で備えましょう
損害保険は、偶然の事故によって生じた実際の損害額に対して保険金が支払われる保険で、自動車保険、火災保険、地震保険、賠償責任保険などがあります。一方、人の体、生命、病気に関してあらかじめ定めた金額が支払われる保険が生命保険です。基本的に損害保険会社は生命保険を扱えず、生命保険会社は損害保険を扱えませんが、最近出てきた「第三分野」と呼ばれる傷害保険、医療保険は双方の保険会社が扱っています。今日お話しするのは、民間の損害保険、中でも一般の家庭生活に関わる「家計分野」の損害保険についてです。
保険では、2つの義務を守らないと保険金を払ってもらえない場合があります。契約時に、危険に関する事項として保険会社が求めた重要な事実(告知事項)を正確に申し出る告知義務と、契約後に職業や住所変更など契約の条件を変更しなければならないような事実が保険の対象などに生じたとき、契約者が保険会社に連絡しなければならない通知義務です。
車の保険は自賠責保険と任意の自動車保険があります。自賠責保険は保険会社に損失・利潤が生じない仕組みになっています。他人の人身事故に関する強制保険ですが、保険金に限度額があります。加害者は過失が無いことを証明しない限り賠償責任を負います。物損で1億円超、人身で3億円超の賠償額の例が多くなっているので、任意保険にも入ることが必要です。任意保険の中で最近できた人身傷害補償保険は、自分(被保険者)が自動車に乗車中あるいは歩行中の事故で死傷した場合、本人の過失割合に関わらず損害額が全額支払われる保険です。
火災保険は落雷とか破裂、爆発、風、ひょう、雪、水災、外部からの物体の飛来、盗難なども対象とするものがあり、家に関わる総合的な保険です。建物と家財は別々に契約する必要があります。「失火の責任に関する法律」で、類焼で自宅が焼けても火元側に賠償責任を問えないので、自宅を守るには、保険に入る必要があります。アパートを借りている人が火災等で家主に損害を与えた場合は借家人賠償責任保険で補償します。地震で火災になっても火災保険の対象ではないので、地震に備えるには地震保険に入る必要があります。
(社)日本損害保険協会とは
1946年に設立。国内の損害保険会社27社(2010年7月1日現在)を会員とし、わが国における損害保険等の健全な発達及び信頼性の維持を図ることを目的としています。