金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 東京会場
全国銀行協会
企画部長
辻 松雄 氏
「金融犯罪にご用心!~金融犯罪の手口と対策~」
高齢者だけではない、被害は若者にも
金融犯罪のうち振り込め詐欺は、平成22年の上期で3,235件、35億8,929万円の被害が発生しています。平均被害額は100万円超で、特に東京都、神奈川県、埼玉県、愛知県、大阪府で多くの被害が発生しています。振り込め詐欺の中で特に多いのが「オレオレ詐欺」で、振り込め詐欺被害の過半を占めています。また、高齢者だけでなく若者も口座売買などの犯罪に巻き込まれています。このような事態に対して、銀行側では、口座開設時の本人確認、ATMの利用限度額の引き下げ推奨などを通じて、被害防止に努めています。
被害に遭わないために、「電話の相手をきちんと確認する」、「家族やペットの名前を聞く」、「相手に子や孫と事前に決めた合言葉を言わせる」、「相手が警察官などを名乗っている時には名前、住所、電話番号を聞いて一度電話を切り、実在しているかどうかを確認する」等を実行して下さい。また、万一被害に遭った場合でも平成20年に施行された「振り込め詐欺救済法」により、犯人の口座に残っているお金を被害者にお支払いしますので、振込先の金融機関にお問い合わせください。
インターネット・バンキングを悪用して預金を引き出す犯罪手口には、金融機関を装って偽メールを送り付け、偽ホームページへ誘導してIDやパスワード情報を盗むフィッシングや、特殊なソフトウエアを添付ファイルやCD-ROMに仕掛けてパソコン利用者が気付かないうちに情報を盗むスパイウエアがあります。心当たりの無い金融機関からのメールは開かないようにし、最新のセキュリティ対策ソフトを使うなどの対策を講じて下さい。
盗難・偽造キャッシュカードを使った犯罪もあります。キャッシュカードを盗み、運転免許証等から暗証番号を推測したり、カードは盗まずにカード読み取り機で磁気データだけを盗んで偽造カードを作成したりして預金を引き出す手口です。暗証番号に推測されやすい生年月日や住所は使わず、カードはもちろん、通帳や印鑑は厳重に管理して下さい。全銀協では、ホームページで犯罪の手口と対策を紹介したリーフレットなどを公開していますので、ぜひご活用下さい。
全国銀行協会とは
国内で活動する銀行等を会員とする業界団体で、刊行物やホームページ、どこでも出張講座などを通じて、銀行業務に関する様々な啓発活動に取り組んでいます。