金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
日本証券業協会
自主規制1部長
内尾 博文 氏
未公開株等の勧誘に注意!
未公開株に関する被害は2009年から急増しています。振り込め詐欺の取締り強化に伴い犯罪者が未公開株に参入したといわれています。国民生活センターでは、2010年度(1月末まで)の被害額は283億円、2001年度以降の累計では860億円に上ると発表しています。当協会は、リーフレットを配るなどの広報活動を行い、コールセンターを設置して情報を収集し、行政にも提供しています。
未公開株の「仲介」と聞いただけで、怪しいと思ってください。金融商品取引法により株式の仲介ができるのは証券会社だけです。全ての証券会社が加入している当協会は規則で未公開株の仲介を禁止しています。未公開株の仲介をする人は本来いないはずなのです。唯一の例外はグリーンシート銘柄ですが、この銘柄は全て当協会のホームページに掲載しています。未公開会社による「自己募集」は、資金調達のため禁止されていませんが、未公開会社は同族経営が多く経営に口出しされるのを嫌がりますので、皆さんのところに話がくることはまずありません。財務データも公表されていませんので、手を出さないのが一番です。
未公開株に次いで被害相談が多いのが社債です。社債はもともと元本保証ではなく、リスク商品です。未公開株や社債の被害は金額が大きく、1件平均400万円強です。電話による勧誘だけで銀行にお金を振り込んだケースが8割です。
被害者の大半は高齢者です。お金を持っている、日中家にいることが多い、夫婦2人や1人暮らしで周りに相談できる人がいない、などの点が狙われているようです。老後の蓄えをすべて失った例もあります。高齢になるほど男性の割合が高くなっています。手口としては、複数の人間が役割を決めて1人の消費者をだましにかかる「劇場型」、官庁などの名前をかたる「公的機関装い型」、代わりに買ってくれれば謝礼や高値買取りをすると持ちかける「代理購入型」、すでに被害に陥っている人にお金を取り戻してあげると誘う「被害回復型」などがあり、巧妙な手口が次々に出現しています。
被害に遭わないためには、(1)きっぱりと断る、(2)被害にあったことがある人は特に注意する(リストが出回っていて狙われる)、(3)ニュースなどで話題になっている企業の社名や事業内容、東日本大震災関係の勧誘に注意する、(4)すぐに消費生活センター等に相談する、などが大切です。
日本証券業協会とは
金融商品取引法に基づく認可金融商品取引業協会であり、協会員(会員、店頭デリバティブ取引会員及び特別会員)の行う有価証券取引等を公正かつ円滑にし、金融商品取引業の健全な発展を図り、もって投資者の保護に資することを目的としています。