金融教育公開授業
平成17年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
富山県金融広報委員会
富山の実施報告
「金融教育公開授業in富山(十二町小学校)」
(10月25日開催)
氷見市立十二町小学校は、「地域・保護者とともに創る学校づくり」を運営方針とし、「一人一人のよさを生かし、自己指導能力を身に付けた子供を育てる」ことを生徒指導の目標として運営されている学校で、平成17年4月から金銭教育研究校として活動しています。
平成17年10月25日(火)の午後、同校で、90名の参加を得て、「子供のお金教育を考える会」代表のあんびるえつこ氏を講師として公開授業が開催されました。
▼参加者内訳:
保護者 14名、県内の教育関係者 36名(教育委員会、他校関係者)、十二町小学校教職員 12名、4年生児童 19名、金融広報アドバイザーほか 9名
プログラム
14:00~14:45 公開授業 カレー作りゲームに挑戦しよう
15:00~15:20 挨拶(富山財務事務所長、氷見市教育委員会教育長)
15:20~16:30 講演 小学校からの金銭教育~「消費者としての自立」という視点から
16:30~16:40 挨拶(十二町小学校校長)
公開授業
まず、限られた予算=おはじき10個の中でカレーの材料を買うというカレー作りゲームを用いて、「お金は限られている」「お金は限られているため何かを買ったら何かを買えなくなる」「どういったお金の使い方をするかは、良い点、悪い点を比較して決める(意思決定)する必要がある」「意思決定にあたり大切なのは、情報をきちんと収集することと目的に照らして考えていくこと」という点について、わかりやすく説明されました。
次に、「今欲しいことがある人」という質問に対して児童から「バッティングマシーン」という答えが出たことを受け、バッティングマシーンについて「手に入れるいくつかの方法」「それぞれの方法のいいところ、悪いところ」を児童に考えさせながら比較し、カレー作りゲームで説明したコンセプトについてもう一度確認されました。
最後に「ご褒美にキャンディーを上げる。いくつとっても良いよ」と話し掛けながら、後席の児童から巡回。1/3くらいのところで袋の中のキャンディーがなくなると「実は19個しか用意していなかったので、皆に配るためには『一人一つずつ』と言わなければいけなかったのだけど、限りあるものを計画的に使う、ということについて理解して欲しかったので『一人いくつとってもいいよ』と言ったの」との説明があり、その後で、みんなに一つずつキャンディーを配分して、授業は終了しました。
(公開授業の模様)
講演会・開会挨拶の模様
まず、富山県金融広報委員会副会長(財務省北陸財務局富山財務事務所長)の浜尾一隆氏より、「金融教育の重要性」と「財務事務所の活動」について開会の挨拶がありました。
続いて、氷見市教育委員会教育長 中尾俊雄氏より、直前の公開授業の模様にもふれつつ、「良き市民として生きていくための力を子供たちに身につけることが教育の課題。そういった観点から、金融教育は重要」という内容のご挨拶がありました。
講演
まず、「金食い虫度チェック」(計画性・金融知識および消費傾向に関する○×式の簡単な質問10問、その場で自己チェック)を行いました。ここでのメッセージは「大人が子供の鏡」とのことでした。
続いて、「小学生からの金銭教育~『消費者としての自立という視点から』」というテーマに関し、金銭教育の必要性、内容、具体的な方法、目標について、パワーポイントで豊富な資料を示して、実例や教育心理学会における議論なども含め、非常にわかりやすく説明されました。
- 金銭教育は、子供たちが賢い消費者、賢い市民になるために必要な教育です。
- 家庭でも、おこづかいを活用して、子供に「やりくり」を意識させる、「必要経費」も賄わせる、「予算」を立てたり、計画的に貯金させる、といった金銭教育に取り組んでみてはいかがでしょうか。
- その際、効果的に学習するには、低学年から行うこと、生活に密着した課題を取り上げ、やりっぱなしにしないことが大切です。
最後に、「後に残しておくことで効用が大きくなる」場合があることを体験するための簡単なゲーム(聴衆代表2名で実施。クリップ24個を使用)を行って、講演は締めくくられました。
(講演会の模様)
閉会挨拶
十二町小学校校長 山本道代氏より、公開授業、開会挨拶、激励の言葉、講演それぞれのポイントを簡単に引用のうえで、「本日は、金融教育の大切さについて認識を深めることができた。今後、研究校として実践を深め、来年はその成果をご披露したい」とのご挨拶がありました。
反響など
ワークショップ、ゲーム感覚で学ぶことができた点や身近な題材や具体例を交えてのお話であった点について、多くの参加者から「よかった」とのコメントをいただきました。
また、地元新聞社3社の取材がありました。