金融教育公開授業
平成18年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
長崎県金融広報委員会
金融広報中央委員会
長崎の実施報告
「金融教育公開授業 in 新上五島(中五島高等学校)」(1月25日開催)
1.概要
長崎県立中五島高等学校は、長崎県金融広報委員会から金融教育研究校(18-19年度)の委嘱を受けました。同校は研究校に委嘱される以前から、「金融と経済の明日 高校生小論文コンクール」(金融広報中央委員会主催)で、在校生が日本銀行総裁賞、佳作に選ばれたほか、学校賞も併せて受賞(いずれも平成17年)するなど、金融教育に熱心に取り組んでいる学校です。
1月25日(木)は、平成17年度から始まった「金融教育公開授業」初の離島開催となる授業と講演会が同校で開催されました。公開授業では、まず地歴・公民科担当の竹田寛教諭からこれまで取り組んできた東証「株式学習ゲーム」の概要について説明の後、班別に結果発表がありました。各班は、購入した株式銘柄や購入理由、投資戦略、結果の感想についてパソコン画面に表示されたデータを使ってコメントしました。参加した教育関係者や地域住民が画面を興味深く見つつ、説明に聞き入る姿が印象的でした。結びに、竹田教諭が「このゲームは『株で儲ける』ことだけを意図して導入したものではない。経済・金融のしくみが高度化・複雑化する中で、自ら必要な情報を収集し、主体的に判断して経済生活を営むことができる人間になってほしい。君たちはもうすぐ卒業するが、就職するにしても進学するにしても、自分をしっかり持って賢く生きていってほしい。」と述べました。
その後、同校生が経営する模擬株式会社「翔タイム」の株主総会では、夏に行ったオリジナル商品の開発、12月に行われた店舗実習の結果が報告されました。会計部からは1株につき100円の配当があることが報告され、配当後の残高約1万円については、生徒会の募金活動に寄付することが承認されました。株主(生徒、教員、地域住民など)からの鋭い質問もありましたが、社長のユーモアを交えた回答に、参加者から温かい拍手が送られました。生徒たちは、「この実習を通して一人一人が意欲的に取り組み、意見を出し合って努力することが会社の信頼や利益に直接結びつくことを実感した。」との感想を述べました。
午後は、弁護士の住田裕子氏による講演「気をつけよう!金融トラブル」が行われ、多数の地域住民をはじめ、保護者、学校関係者等310名が参加しました。講演では、約束を守ることの大切さや、返事の仕方ひとつでトラブルに巻き込まれてしまうことがある、など具体的なお話に皆熱心に耳を傾けました。また、卒業を間近に控えた3年生には、自分自身への投資として、卒業しても勉強を続けることや、いろいろな人の話を聞くことの大切さを力説されました。参加者からは、「この島でも、お金に関するトラブルは無縁ではない。知識を得て、自分の身は自分で守る、ということがいかに大切かを住田先生のお話の中で再確認した。」(保護者)、「春から親元を離れ、一人暮らしをする私には大変参考になった。『結構です』は、YESともNOとも解釈できるあいまいな言葉。自分の意志を持ち、それをきちんと表現できる立派な社会人になりたい。」(3年生)などの感想が聞かれました。
▼参加者内訳:
全校生徒162名、開催校教員30名、開催校保護者20名、教育委員会2名、他校教員13名、長崎県金融広報委員会関係者3名、地域住民等80名、合計310名
2.プログラム
- 9:35~10:25
- 公開授業「株を買ってみよう」(政治・経済)
指導教諭:竹田寛先生(3年生) - 11:35~12:25
- 株主総会
模擬株式会社「翔タイム」による決算報告 - 13:30~13:35
- 開会挨拶
中五島高等学校長 - 13:35~14:50
- 講演「気をつけよう!金融トラブル」
講師:住田裕子氏(弁護士) - 14:50~14:55
- 生徒会挨拶
- 14:55~15:00
- 閉会挨拶
長崎県金融広報委員会事務局