金融教育公開授業
平成18年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
徳島県金融広報委員会
金融広報中央委員会
徳島/徳島市の実施報告
「金融教育公開授業 in 徳島(徳島商業高等学校)」(11月27日開催)
1.概要
徳島県立徳島商業高等学校は、徳島県金融広報委員会から金融教育研究校(18-19年度)の委嘱を受けて金融教育に取り組んでいます。
11月27日(月)午後、徳島商業高等学校体育館において公開授業が行われました。当日は、金融経済教育懇談会メンバーでキャスターの生島ヒロシ氏が、3年生74名に対し「日本経済の将来展望」をテーマに公開授業を行った後、保護者や教職員、一般参加者など51名を対象に「金融教育の重要性」と題した講演を行いました。また、地元新聞社も取材に訪れました。
▼参加者内訳:
生徒(3年生)74名、開催校教員及び保護者45名、金融広報委員会関係者5名、報道関係者1名 合計125名
公開授業「日本経済の将来展望」
公開授業は約50分間、保護者や教職員も参加して行われました。生島氏からの「一本のペットボトルでメーカー側に入る利益は何円?また、コンビニなどの販売店側に入る利益は何円?」との質問に対し、様々な意見が生徒達から出ましたが、製造会社より販売業者の方が利益が多い例もあるという現実を知り、驚かされていました。さらに生島氏は、一台の車を例に挙げ、原料の鉄鉱石から車の完成品に至るまでの間、同じ重さの鉄の値段がどんどん上がっていく過程を例に挙げ、車一つをとっても世界の経済が見てとれると説明しました。このような身近な例を出しながら、今の時代、お金に関する知恵をつけ経済的自立を果たさないと、大変なことになると警鐘を鳴らしました。
そして、「長い人生を自分らしく生きていくためには、健康で夢や希望を持ち続けることに加え、生きていく為に必要なお金を確保しなければいけない。限られた中でのお金のやり繰りについて知識をつけておくべきだ」と語りました。たとえば、「毎月の給料の内、1万円は銀行にもう1万円は8%利回りで運用していくとする。38年後には預金と投資では約2500万円以上の差が生まれるということを是非知っておいて欲しい」と、複利の方程式について説明しました。ただし「お金を増やすことが最終目的であってはいけない。増やした後それをどう使っていくかが人生において大切である」とも述べ、人生における金融(経済)の位置付けを明示しました。
最後には、これから生きていく上で重要なものとして、コミュニケーション能力や人の話を要約する力・質問する力などを挙げました。また、常に自分の中に変化を起こし続けることによって「進化」し、自分を物事の中心に置き当事者意識を持つことによって、「決断力」や「責任力」、「直感力」、「説得力」を身につけていって欲しいとメッセージをおくりました。
保護者向け講演「金融教育の重要性」
公開授業の後、保護者向けの講演が約1時間行われました。講演では、今の日本の経済・金融問題について、具体的なデータに基づいて説明されました。戦後、経済成長を遂げた日本国民は、右肩上がりでお金の知識が乏しくても生活ができたが、今後、より一層複雑化する日本の経済社会において、金融に対する知識をしっかりと持っておくことの大切さを認識するべきだと強く語られました。
生島氏はさらに、日本政府はこれまで貯蓄を奨励してきたが、銀行等に預金するだけでは増えない時代であるため、今後は投資による運用が重要になってくるとし、複利効果を味方につけたお金を増やす方程式を紹介しました。また、若い世代の人たちは10代、20代、30代と、それぞれの年代で何が起きるかをシミュレーションしておくことが大切だとし、限られたお金を有効に活用するべきであると述べました。そのためには、保険等に無駄なお金を支払っていないか確認したり、外国為替の動きを把握することも重要であると説明しました。
最後に、失敗したときに立ち直れるだけの強い精神力を養って欲しいと語り、「言葉」の朗読で参加者の心を温めて会場のムードを和やかにしました。
参加者からも、「今まで金融について考える機会が少なかったので、老後に備えて考える機会となった」、「核心を簡潔明瞭に伝えてもらえた」、「金融教育が人生の教育につながることを改めて確認できた」などの感想が聞かれました。
2.プログラム
- 14:25~14:30
- 開会挨拶
徳島県金融広報委員会 椎野泰治副会長 - 14:30~15:20
- 公開授業「日本経済の将来展望」
講師:生島ヒロシ氏(キャスター) - 15:30~16:30
- 講演会「金融教育の重要性」
講師:生島ヒロシ氏 - 16:30~16:40
- 閉会挨拶
徳島商業高等学校 早雲洋一校長