金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
宮崎県金融広報委員会
宮崎県立富島高等学校
宮崎の実施報告
「金融教育公開授業 in 宮崎(富島高等学校)」(12月13日開催)
富島高等学校は、Specialty(専門性)、Sense(思慮分別のある行動)を身につけ、Shine(輝く自分)を見つけるという3つのSを重視したカリキュラムの下で、生徒は商業科、会計科、経営情報科、国際経済科、生活情報科の5科に分かれ学んでいます。
12月13日に宮崎県で初めての金融教育公開授業が開催されました。同校は、平成18-19年度に金融教育研究校として委嘱を受け、主に選択授業において金融教育を推進してきました。当日は地元の新聞・TV局の取材も行われました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
3年生のうち課題研究FP検定学習班を選択している8名は、FP検定を受験しています。公開授業は「金融商品模擬運用~自己責任時代の資産運用の在り方~」と題して、100万円を投資資産で運用する際の留意点などを学びました。まず、投資資産の代表として投資信託と外貨預金について、具体的に金融機関で取り扱っているパンフレットを用いてその特徴やリスクを確認していきます。その後、100万円を実際の金融商品を購入したものとして、5年前の基準価格や為替レートと現在の値を比較して運用の成果を発表し合いました。
(公開授業の模様)
2.講演会
講演は「気をつけよう!金融トラブル」と題して全校生徒を対象に行われました。講演会の開会に当たり、近藤校長が「TV番組『行例のできる法律相談所』を視聴しているが、同じ事例に対して弁護士により見解が異なるのが不思議に思われる」と講師の住田裕子氏に問いかけました。
住田氏は、商品を売る側と買う側において、言葉のやりとりに関する理解の差があることがトラブルになる原因であり、弁護士においてもこうしたやりとりをどう解釈するかが異なることから判断が分かれると説明されました。また、損害賠償と慰謝料との違い、ブランド品などの高額商品は一般の契約に関する法律の保護の範疇に含まれないことを解説され、悪質メールや架空請求などに正直に対応して「鴨リスト」に入れられないようにと呼びかけました。また、キャリアに空白を作らずに、自分を磨き、労働価値を高めていくことや、人間関係が重要であることを強調されました。
最後に、生徒代表が「講演を聴いて、契約や借金での落とし穴は考えていたよりも身近なものであることがわかった。教えていただいたことを忘れずに対処していきたい。」と謝辞を述べました。
閉会に当たり、宮崎県金融広報委員会の近川副会長(日本銀行宮崎事務所長)が「社会に出た暁にはいろいろなことにチャレンジをしてほしいが、契約の内容や法律の基本的な知識は身につけることが必要である。残念ながら、宮崎は比較的自己破産の比率が高いため、他人事とは思わずに今後も勉強していってほしい」と締めくくりました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 13:05~13:55
- 公開授業「金融商品模擬運用~自己責任時代の資産運用の在り方~」
講師:富島高等学校教諭 百枝新也 - 14:05~14:10
- 開会挨拶 宮崎県立富島高等学校校長 近藤宏
- 14:10~15:40
- 講演「気をつけよう!金融トラブル」
講師:住田裕子氏 - 15:50~16:00
- 閉会挨拶 宮崎県金融広報委員会副会長 近川明