金融教育公開授業
平成20年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
愛媛県金融広報委員会
愛媛県立東温高等学校
金融広報中央委員会
愛媛の実施報告
「金融教育公開授業 in 愛媛(東温高校)」(9月30日開催)
愛媛県立東温高等学校は、昭和23年に設立された歴史のある学校です。普通科と商業科を設置し、学科の特質と生徒の実態に即した特色ある教育を地域との連携を保ちながら展開し、「自律、練磨、敬愛」を校訓に一人一人の個性を尊重した教育を行っています。
9月30日(火)に愛媛県内で3回目となる公開授業が開催されました。当日は、初めに商業科3年生40名を対象に「経済活動と法」をテーマに公開授業が行われました。そのあと、生活経済ジャーナリストのいちのせかつみさんによる講演があり、商業科6クラスの生徒が参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「経済活動と法」の授業の一環として、企業や法律について経済活動の面から理解し、企業の成り立ちを知ると共に、起業家精神を身につけることを目標に授業が行われました。まず初めに、商法上の商人や商行為の関係等を学んだうえで、実践活動として、地域の夜市に出店することをめざし、どのようなお店を出店すればよいか、また、出店するための開業資金はどのくらい必要か等、各グループ毎に議論し発表しました。金融広報中央委員会発行の「これであなたもひとり立ち」ワークブックも併用し、生徒達の活気あふれる授業となりました。
(公開授業の模様)
2.講演会
公開授業の後、いちのせかつみ氏から、「人生の主役はキミだ!夢を形に!」と題する講演が行われました。
冒頭に“あなたの夢を教えて下さい”と東温高校の教員にインタビュー。初めて聞く本音に、生徒達は大盛り上がりで、講演会が始まりました。いちのせ氏は、今、キミ達は夢を実現するために頑張っていると思うが、夢や目標を実現するための最善なライフプランを提案しサポートするファイナンシャルプランナー(FP)という仕事をしていると話し、FPの仕事で経験した顧客からの相談事例を元に、職業別(会社員・医者・スポーツ選手・芸能人等)の生涯賃金の比較や、生活設計の違い等を紹介したうえで、将来の仕事については、収入差もさることながら、“やりがい”をもみつけるべきだと生徒達に説きました。
また、童話“桃太郎”は、子供がたくましい大人に成長するために、身に付けるべき大切なことを説く仏教の説話が起源だと楽しく解説してくれました。桃太郎は自分、おばあさんからもらう“キビ団子”はエネルギー(生きる力)、そしてキビ団子を渡して手に入れる「犬」は「心(優しさ・思いやり)」、「猿」は「知識(学び・知ること)」、「キジ」は「行動力(矢のごとく前に進む)」を象徴しているそうです。鬼ヶ島への大海は、世間の荒波、鬼は、不安や悩み。そういうすべてのものに負けず、自分の人生のドラマを自分自身で演出していけるよう、心・知識・行動力を磨こうと励まされました。
最後に、いちのせ氏自身の生き方に興味を示した生徒達からの矢継ぎ早の質問。「先生が今の職業に就くために努力したことは何ですか?」の問いには、「小学生の頃に母親が倒れ、家計をみる必要に迫られたことをきっかけに、上手な家計運営の方法について考えたこと」とのこと。また、「先生の今の夢は?」の問いに、「平成15年に挑戦した自転車での金銭教育ボランティアセミナー日本列島縦断を、今度は徒歩で実行すること。今そのために貯金しています」と笑顔で意気込みを語られました。また、「今まで印象に残った講演は?」という質問には、“お金持ちになる方法”という演題が受け入れられる地域と受け入れられない地域があったとの実体験から、「日本は狭い国であるが、各地域によって風習も県民性も違っていて面白い。各地でいろんなことを学んでいる」と教えてくれました。
終始笑いの絶えない楽しい講演に、参加者からは、来年もぜひ!との強い要望が寄せられました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 13:40~14:30
- 公開授業「経済活動と法」
講師:愛媛県立東温高等学校 教諭 今井 敬 - 14:40~14:40
- 開会挨拶 愛媛県金融広報委員会 会長
- 14:40~15:50
- 講演「人生の主役はキミだ!夢を形に!」
講師:いちのせかつみ氏 - 15:50~16:00
- 閉会挨拶 愛媛県立東温高等学校 校長 丹生谷 吉昭