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金融教育公開授業

平成20年度金融教育公開授業(全国リレー講座)

高知県金融広報委員会
四万十市立下田小学校
金融広報中央委員会

高知の実施報告

「金融教育公開授業 in 高知(下田小学校)」(1月24日開催)

四万十市立下田小学校は、高知県四万十川の河口近く、すぐ南には太平洋が広がるところにあります。同校は、金銭教育研究校(平成19・20年度)の委嘱を受け、「物やお金を大切にし、自然環境を守りながら、こころ豊かな人間性の育成をめざす」ことを金銭教育目標に掲げ、家庭や地域と連携しながら意欲的に金銭教育に取り組んでいます。

▼ 参加者内訳:

児童90名、開催校教員14名、開催校保護者50名、教育委員会3名、他校教員3名、地域の方々3名、合計163名

1.実践発表

下田小学校の1、3、5年生が取り組んだ学習活動を、劇で再現したり写真を使いながら、児童自身がプレゼンテーションしました。

(1) 「おいもまつり」(1年生)

1年生の実践発表「おいもまつり」の模様学校菜園でさつまいもを栽培し、収穫、袋詰め、販売したことや、収穫したさつまいもを加工しておやつを作り、「おいもまつり」(収穫祭)で保護者や地域の方々に食べてもらって交流したことなどを、感想などを折り混ぜながら、“劇”を通じて児童が発表しました。「これらの活動を通して、作物の成長や収穫の喜び、働くことの充実感を味わうことができた気がします」との教員のコメントがありました。

(2) 「買い物名人になろう」(3年生)

3年生の実践発表「買い物名人になろう」の模様同校が1学期から全校で取り組んでいるアルミ缶回収活動で得たお金の使い方を3年生全員で考え、老人ホームの方にプレゼントを作って贈ることとし、そのための材料費などに有効に活用したことや老人ホームの方と交流したことなどを“劇”や写真により発表しました。児童からは、「この学習を通して働いたらお金になることが分かりました」など、お金が労働の報酬として得られることを学んだようです。また、老人ホームの方とのプレゼントを通じた交流は「涙を流して喜んでくれた人もいて、私も涙を流しそうでした」など、児童ひとりひとりの心に深く刻み込まれたようです。

(3) 「野菜を売ろう!」(5年生)

5年生の実践発表「野菜を売ろう!」の模様5年生は、1年間の金銭教育の取り組みの中心となる野菜の栽培と販売について発表しました。まずは、野菜を販売するため、スーパーなどで値段を調べたうえ、実際に夏祭りで販売しました。値段を安くしたり、おまけをつけるなどの工夫をして頑張った結果、全部売り切れました。

次に、少しでも利益を得るために、地域の方から購入したさつまいもをスイートポテトとして加工・販売することとし、最終的に65%もの利益をあげることに成功しました。もっとも児童からは、「お店の利益率は65%でしたが、そこから電気代や水道代などを引くので、利益はもっと少なくなります。お店や農家の人はいろんなことを考えながら仕事をしていると思いました。大人になって働くときはこの勉強を活かしたいです」といった頼もしい感想がありました。

2.講演会

講演「こころを育てるお金のはなし ~7,000人の子どもたちのSOS.大人がすぐにできるお金の教育~」の模様実践発表の後、陣内恭子氏から、「こころを育てるお金のはなし ~7,000人の子どもたちのSOS.大人がすぐにできるお金の教育~」と題する講演が行われました。

陣内氏はまず、「お金」や「金融」、「稼ぐ」といった言葉について抵抗感を抱く人が多いが、「お金」は社会で生きていくための大切な道具、そして「金融」はいわば社会の血液、さらに「稼ぐ」ということは、すなわち仕事をきちんと行ってお金に替えていくことであり、いずれもひとりひとりの「生き方」に繋がるため、お金の話と仕事の話を切り離さず、子どもたちに伝えていかなければならない。こうしたお金の教育は、子どもと一緒に行動する時間の多い小学校高学年までに(できれば幼児期から)子どもたちの年齢に合わせてきちんと行って欲しいと話されました。

次にお金の教育に一番有効な道具として「お小遣い」を挙げられ、たとえば、陣内氏のご家庭では単にお小遣いを与えるだけでなく、小遣い帳によって管理をさせ、買い物も子どもの考えに基づいて主体的に行わせるようにした結果、小学校高学年になったときには、目標を決めて貯金することや必要に応じてきちんと買い物するというお金のやりくりが確実にできるようになったことを紹介されました。

また、「お小遣い」と「家事手伝い」の関係についても付言され、家事手伝いの代わりにお小遣いを渡すことでお金が労働の対価である点を教えることが大切である一方、家族の一員という観点から自ら進んで手伝いをするという姿勢を養うことも大切であり、両方の視点を意識していく必要があるのではないかと話されました。さらに、それを補完し、より実践的な生きる力を身に付けるという観点から、たとえば手伝った結果について親と子が双方で評価し、それに応じて小遣いの額を変えるといったことも有益ではないかとコメントされました。

消費者教育の観点からは、だまされないための教育だけでなく、だまされたらすぐに相談するということも教える必要があることや、適正価格を認識できる目を持てるように、私たち大人自身も普段の消費生活や経済に関心を深く持つ必要があると話されました。

最後に、「教育も将来に向けての『投資』である。下田小学校での実践例のように体験を重視する、子どもの芽はつまない、子どもが自由に考えて選択し責任を取る場を家庭でも早くから作り、“生きる力”を身に付けさせてほしい」と締めくくられました。

3.プログラム

13:30~14:30
実践発表
(1) 「おいもまつり」(1年生)
(2) 「買い物名人になろう」(3年生)
(3) 「野菜を売ろう!」(5年生)
14:40~15:00
開会行事
開会挨拶 四万十市立下田小学校校長 田邊誠郎
来賓祝辞 四万十市教育委員会教育長 有友昭一
講師紹介 高知県金融広報委員会事務局長 西川正治
15:00~16:40
講演「こころを育てるお金のはなし~7,000人の子どもたちのSOS.大人がすぐにできるお金の教育~」
講師:陣内恭子氏
16:40~16:45
閉会挨拶 高知県金融広報委員会会長 衛藤公洋

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