金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
岡山県金融広報委員会
岡山県立津山商業高等学校
金融広報中央委員会
岡山/津山市の実施報告
「金融教育公開授業 in 津山(津山商業高等学校)」(10月31日開催)
津山商業高等学校は、美作地方で最初に設立された商業高校で創立88年の伝統と歴史があります。地元企業や自治体と連携し、新商品の開発を行うとともに生徒自らが企画・運営を行うベンチャービジネスやネットビジネスなどの教育に熱心に取組んでいます。
こうした活動を踏まえ、平成20年度からはさらに幅広い金融知識を習得する目的で金融教育研究校として活動しているところです。
同校では、10月31日(土)に公開授業が開催され、同校教諭などによる公開授業と生活経済ジャーナリストのあんびるえつこ氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1) 「10代から学ぶパーソナルファイナンス」(2年生・総合的な学習の時間)
外部講師からキャッシュカードやクレジットカードに代表されるカードの種類やその利用方法、お金に関するトラブルや悪質商法について学習しました。生徒をグループに分けて討議を実施したところ、カード決済のメリット・デメリットについて生徒たちは身近な問題として理解していたようでした。
(2) 「課題研究(ファイナンシャル・プランナー)」(3年生選択・商業科)
商業科3年生の選択授業のうち、ファイナンシャル・プランナー資格取得に向けての授業です。本時では、動産・不動産の違い、また不動産登記の対抗力や公信力、取引や規制について学習しました。登記簿のコピーを基にその見方について具体的な説明を聞き、生徒たちは熱心にノートを取っていました。
(3) 「経済活動と法」(3年生・地域ビジネス科)
利息制限法や出資法について学習しました。これらの法による金利の上限の違いや貸金業法の改正意図などについて、スクリーンを使いながら説明したことで、生徒たちはよく理解している様子でした。最後にワークシートで消費貸借の権利・義務についてまとめを行いました。参加者からは「パワーポイントを利用しての教材提供の工夫が参考になった」との感想が寄せられました。
2.講演会
公開授業の後、生活経済ジャーナリストのあんびるえつこ氏から「生きていくためのお金の話」と題した講演会が行われました。
まず、はじめに「携帯電話の1ヶ月の利用料金を把握しているか?」などの「金食い虫度チェック」を実施し、この結果を基に「幼虫・さなぎ・成虫」に分け、自分自身の「金食い虫度」を理解することから始まりました。
また、代表の生徒10名がクイズに答える形式で今後の人生に関わる大切なお金の「し・か・け」について解説がありました。年金や健康保険の加入条件、クレジットカードやローンの返済額、預貯金の金利に関するクイズが出題されたり、保険料の未払いで起こる実際のトラブル事例が説明されました。クイズが進むにつれ代表以外の生徒も解答を考えたり、周りと正解を確認しあう姿が見られるなど、熱心に聞き入っている様子が伝わりました。
最後にまとめとして、「し」は、社会保険料を支払うこと、「か」は簡単に借金をしない、「け」は計画的にお金を使うことや貯めることを表しており、社会に出てお金を稼ぎ、自由に使うことは楽しみかもしれないけど、実際には知らずにいて怖いことになってしまうことを知っておいて欲しいと締めくくられました。
その後、生徒からの「他に気を付けることはないでしょうか?」という質問に対し、若者がインターネットのトラブルに巻き込まれるケースが多いことや消費生活センターへの相談の件数にも若者が多いことなどを挙げ、「簡単に甘い話に乗らず、疑いの目を持つことも大切」とアドバイスして頂きました。
閉会にあたり、同校の校長からは、「お金にまつわる色々な話をわかりやすく説明して頂いたので非常に生徒のためになったと感じました。お金は身近なものである一方で、危険も含んでいることを十分自覚し、お金を適切に管理していくことが一層大事であることが理解できたので、一人一人のよい財産になったと思います」と謝辞がありました。
3.プログラム
- 11:30~12:20
- 公開授業
(1)「10代から学ぶパーソナルファイナンス」(2年生・総合的な学習の時間)
(2)「課題研究(ファイナンシャル・プランナー)」(3年生選択・商業科)
(3)「経済活動と法」(3年生・地域ビジネス科) - 13:20~13:25
- 開会挨拶 岡山県金融広報委員会事務局長
- 13:25~14:25
- 講演「生きていくためのお金の話」
講師:あんびるえつこ氏 - 14:25~14:30
- 謝辞・閉会挨拶 岡山県立津山商業高等学校校長