金融教育公開授業
平成21年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
栃木県金融広報委員会
宇都宮市立戸祭小学校
栃木の実施報告
「金融教育公開授業 in 栃木(戸祭小学校)」(11月9日開催)
宇都宮市立戸祭小学校は、宇都宮市の中心部よりやや西の位置にあり、学区内には県立美術館や県立体育館等の教育・文化的な施設が点在すると共に、日光街道や宇都宮環状線等の主要道路に隣接した交通の便にも恵まれた地域にあります。宇都宮市は、東京都内への新幹線通勤圏となり転勤族も多い土地柄であるため、住宅地環境に恵まれた戸祭小学校も児童の年間転出入が多い学校です。学校では「自ら考え、正しく判断し、思いやりをもって実践できる、心豊かなたくましい戸祭の子の育成」を目標としており、教育の基礎基本である「あいさつ 朝食 漢字に計算」の推進のほか、幼稚園・保育園や県立聾学校との交流活動等の特色ある教育活動の充実に努めています。
11月9日(月)の金融教育公開授業では、まず、6年生を対象に「しごとってナニ?おかねってナニ?」の授業が行われ、その後、「欲しいモノと必要なモノ!賢くお金と付き合う方法」をテーマに、児童と保護者を対象とした講演会が開催されました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
まず、講師のいちのせかつみ氏が、将来の仕事について具体的な夢を持っている人がいたら発表してほしいと呼びかけたところ、パイロット・警察官・ピアノ教師といった夢が出されました。また、何のために仕事をするのかを問いかけたところ、「生活」「おかね」「家族」「自分」などが挙がりました。
いちのせ氏は、お金の扱い方はその人自身の価値につながるので、お札をくしゃくしゃにしたり、ポケットに突っ込んだりせずに、きちんと財布を使うことを勧められました。
また、千羽鶴を折るという仕事を紹介され、6年生全員で取り組んでみました。実際にこの仕事に従事するには1分間で2羽、きれいに仕上げなければなりませんが、わずか数人が1分間で1羽折れただけでした。いちのせ氏は、仕事をすることの厳しさと一つひとつのことを丁寧に行うことの大切さを話されました。
最後に、あるプロ野球選手が小学校6年生で書いた「将来の夢」という作文が披露され、好きになれる仕事を見つけること、そのために今から何をすればよいかを考えることが大切という話で授業は終了しました。
2.講演会
講演に先立って、大場校長から「子供たちが賢い消費者として行動できるようになってほしいと思うほか、社会の変化の中で、金銭のトラブルに大人だけでなく子どもが巻き込まれていると感じることも多くあり、このような機会を設けた」と挨拶がありました。
「欲しいモノと必要なモノ!賢くお金と付き合う方法」と題する講演では、まず、同じ60円で購入できる菓子類と鉛筆について考えることから始まりました。モノを買うときには、欲しいというだけで選ぶのでなく、必要なモノはどれでとくに必要ではないモノは何かを考えてお金を使うようにと、いちのせかつみ氏はアドバイスされました。
次に、欲しいモノとなるであろう携帯電話は、現在、さまざまな機能が付いている機器となっており、親の世代は電話と認識しているが、子どもたちにとっては、電話はケータイの機能の一つでしかないと、いちのせ氏は指摘されました。また、利用料金が後払い、すなわちお金を借りているのと同じである点に留意する必要があること、毎月1万円の使用料金を中学生から大学生までの10年間に支払うと120万円にものぼるため、そうしたお金を支払うのに相応しい使い方をしてほしいと話されました。親子間で利用に関するルールを決めておくことも大切であると強調されました。
最後に、おとぎ話の「ももたろう」をもとに、自分が主役である人生というドラマを自分自身でつくっていってほしいと伝えました。
3.プログラム
- 10:25~11:10
- 公開授業「しごとってナニ?おかねってナニ?」
講師:いちのせかつみ氏 - 11:20~11:25
- 開会挨拶 宇都宮市立戸祭小学校校長 大場喜代江
- 11:25~12:15
- 講演「欲しいモノと必要なモノ!賢くお金と付き合う方法」
講師:いちのせかつみ氏 - 12:15~12:20
- 閉会挨拶 栃木県金融広報委員会 諏訪和己