金融教育公開授業
2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)
兵庫県金融広報委員会
神戸市立須磨翔風高等学校
金融広報中央委員会
兵庫の実施報告
「金融教育公開授業 in 兵庫(須磨翔風高等学校)」(11月25日開催)
神戸市立須磨翔風高等学校は、神戸市立高等学校初の総合学科高校(単位制)として平成21年4月に開校した学校です。「人・社会・希望につながる学校」をコンセプトとし、充実したキャリア教育により、生徒たちが将来の職業・家庭・地域生活といった生涯にわたる生き方・在り方を自らデザインしていく能力を育む教育を行っています。
11月25日(金)に、1年次生全員を対象としたキャリアプランニングの授業において公開授業を実施しました。公開授業に引続き、同校での2年間の金融教育研究活動についての発表を行い、その後、住田裕子氏による講演会を実施しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「26歳の私」と題して、10年後の“なりたい自分”をイメージし、その夢をビジュアル化するための「夢(目標)への達成地図」を作成しました。生徒たちは、将来、目標達成時に得られる自己実現について、事前授業等で学んだ「自分の心や物の充足感だけでなく、『仕事を通じて社会と繋がる価値』や、『他者や社会に貢献することの尊さ』」も考え、地図に描きました。地図完成後は、フューチャープラン(目標を達成するための具体的な行動計画)を立案し、ライフプランとして後日発表することとなっています。
2.研究発表
金融教育研究校として取組んだ2年間の研究活動について、次のとおり発表しました。
同校では、金融教育の研究目標を「金融・経済のしくみや金融サービスの利用方法とリスクについて理解し、自らの進路選択に向けての意思決定や生活設計の考え方について学ぶ」として、関係各教科の先生方で研究組織「金融教育推進委員会」を発足させ、研究計画や実践活動を推進してきました。
同校の教育活動の中核である「キャリア教育」と金融教育は不可分の視点にあり、例ば「私の夢」を考える場合、夢実現のためにキャリアアップしようとすれば、進学・生活費等の費用が必ず必要であり、また、稼いだお金を有効に活用するためには金銭に係るリスク問題を理解しておくことが必要であると話されました。
主な実践活動(授業)は、1)人生設計、2)現代社会・時事問題、3)家庭科、4)キャリアプランニングの4種。これらを通して、生徒たちは自分が18歳に成長するまでにかかったお金の額の大きさについて考え、社会での起業や株式投資の難しさを知り、また、経営や経理事務のシミュレーション体験することによって、経済やお金について関心を深めることができたとのことです。
最後に2年間の感想として、「『金融教育=金儲けの教育』という批判的な意見があるが、お金の話をタブーとすることは、逆に悪質な投資話等で被害を受ける危険性を増やしている。お金と合理的につき合うことは、夢を実現し賢い選択が出来る市民をつくると思われるため、金融教育の必要性はますます高まっていると感じている」と述べられました。
3.講演会
研究発表の後、全校生徒、保護者および地域の方々を対象に、「未来の自分を守る金融教育─お金のトラブルから自分を守るために─」というテーマで、住田裕子氏による講演が行われました。
私たちの生活に身近なお金に関するトラブル事例を取上げて、法律に照らしながら分かり易くお話いただきました。生徒たちからは、「あいまいな返事は禁物(口約束でも契約は成立する)」、「知らなかったことで分かったことが沢山あった」、「具体的な事例で面白く分かり易かった」、「将来活かしたい」といった感想が寄せられました。
また、住田氏は、講演の終わりに、若者の特権とは「恥をかく権利、知らないので教えて下さいと言える権利」であり、社会で活躍する人となるためには「学力も大事であるが、感性の力やコミニュケーション能力はもっと大切」と、生徒たちに熱いメッセージを送られました。
4.プログラム
- 12:30~14:20
- 公開授業「26歳の私」(1年次生・キャリアプランニングI〈産業社会と人間〉)
- 14:35~14:40
- 開会挨拶 神戸市立須磨翔風高等学校校長 前田一夫
主催者挨拶 兵庫県金融広報委員会事務局長 近藤英昭 - 14:40~14:55
- 研究発表 神戸市立須磨翔風高等学校教諭 石原純
- 14:55~16:05
- 講演「未来の自分を守る金融教育─お金のトラブルから自分を守るために─」
講師:住田裕子氏 - 16:05~16:10
- 生徒代表 お礼のことば