金融教育公開授業
2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)
宮崎県金融広報委員会
宮崎県立小林高等学校
金融広報中央委員会
宮崎の実施報告
「金融教育公開授業 in 宮崎(小林高等学校)」(10月5日開催)
宮崎県立小林高等学校は、創立90年の歴史と伝統を誇る全日制普通科高校です。普通科の中に県内唯一の体育コースが設置されている学校であり、「立志鍛錬」を校訓とし、知・徳・体の調和の取れた人間を育成する教育活動を推進しています。
10月5日(水)に同校において公開授業が開催されました。当日は、1年生を対象に「家庭基礎」の公開授業が行われた後、弁護士の住田裕子氏による講演があり、生徒全員が参加しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
「かしこく使おう!クレジットカード」と題して、クレジットの仕組みやクレジットカードのメリット・デメリットについて学びました。まず、事前に生徒に実施したクレジットカードに関するアンケートの結果を基に、生徒がクレジットカードに対して持っているイメージを確認し、カード発行申込から支払いまでの流れや、クレジットの仕組みについて学びました。次に、当県の多重債務と自己破産の状況や、その原因のひとつが無計画なクレジットカードの利用であるとの説明をうけ、クレジットカードのメリット・デメリットについて話し合いました。最後にカード紛失時の対応の仕方や使用上の注意点について確認しました。
2.講演会
公開授業の後、弁護士の住田裕子氏から、「金融トラブルから身を守ろう!」と題する講演が行われました。
住田氏からは、「契約は『うん』や『結構です』でも成立する場合があったり、『口約束』でも成立するため、契約時には自分の意思を明確にすることが大切」というお話がありました。
また、悪徳業者から申し込んでもいない小包が自宅に届けられた場合の事例については、「自分が『うん』と意思表示をしていないので代金は支払わなくても良い。この場合、契約が成立したかどうかが問題である。開封だけでは確認行為のため契約にはならない。ただし、商品を使用したら買う行為となるため支払い義務が発生する。一方的に送付された品物の所有権は送り主にある。2週間経過すると受取側に所有権が移る。このようなケースの場合、送り主に連絡をすると支払いを強要される可能性があるため連絡を取らずに消費生活センターや警察に連絡をすること。絶対にお金を支払ったり連絡を取ってはいけない」と説明されました。
次に、クレジットカードの名義貸しについては、「名義貸しを行った友人から最初の数回は引落分の金額が口座に振り込まれていたが、途中から入金されなくなった。友人に代わり残金を支払わなければならないか」という事例で、これに対しては、「名義を貸した場合、本人の同意があり契約当事者となっているため支払わなければならない。ただし、盗まれたカードについては支払い義務がなく、フィッシング(カード番号を盗む詐欺)についても本人の意思が合致していないため支払わなくて良い」と解説されました。また、インターネットのワンクリック詐欺については、「画面上では必ず確認画面がでてくる、ワンクリックでは契約は成立していないので、絶対に支払わない、連絡を取らないこと」と話されました。
最後に、若者の特権とは、「恥をかく権利、知らないので教えて下さいと言える権利」であり、社会に出て活躍する人になるには「学力以上に感性の力(熱意・意欲・忍耐・謙虚・共感性)が大事」であるとして講演は終了しました。
生徒代表からは住田氏に対し、「契約の難しさがわかった。あらかじめ自分の意思をしっかり持つことが重要だと学びました」と謝辞がありました。
3.プログラム
- 12:40~13:30
- 公開授業「かしこく使おう!クレジットカード」(1年生・家庭基礎)
授業者:宮崎県立小林高等学校教諭 田中美和子 - 13:55~14:00
- 開会挨拶 宮崎県立小林高等学校校長 池内範武
- 14:00~15:10
- 講演「金融トラブルから身を守ろう!」
講師:住田裕子氏 - 15:10~15:15
- 生徒代表 謝辞
閉会挨拶 宮崎県金融広報委員会副会長 松尾徹