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金融教育公開授業

2011年度 金融教育公開授業(全国リレー講座)

滋賀県金融広報委員会
近畿中学校社会科教育研究会
滋賀県中学校教育研究会社会科部会
金融広報中央委員会

滋賀の実施報告

「金融教育公開授業 in 滋賀(甲南中学校)」(11月11日開催)

滋賀県金融広報委員会と滋賀県中学校教育研究会社会科部会公民的分野会は、学校における金融教育の推進のため、授業で取り組む金融教育の手法について研究を進めています。

このたび、「金融教育公開授業in滋賀」を、第17回近畿中学校社会科教育研究大会滋賀大会(平成23年度滋賀県中学校教育研究会社会科部会研究発表協議会)と合同で開催し、公民的分野の指導案の発表について「経済的分野・家計」の単元を授業公開しました。

午前中、社会科3分野の公開授業と分野別協議会(授業研究会)を、土山中学校(地理的分野)、信楽中学校(歴史的分野)、甲南中学校(公民的分野)の3校に分かれて行いました。

公民的分野の公開授業開催校である甲賀市立甲南中学校は、滋賀県東南部、甲賀忍者や信楽焼で有名な甲賀市(人口約10万人)にある、全校生徒591名の中規模校です。58年の歴史を数える伝統行事「平和行進」をはじめとする生徒会や、全国大会出場経験も多くあるサッカーや陸上などをはじめとする部活動が盛んな学校です。

公民的分野の分野別協議会では、取り上げたテーマについて「生活につながるよい学び」であるとの評価や、「利息についてもう少し触れることはできなかったか」という指摘がされたほか、「生徒たちから疑問が出て解決しようという授業にするにはどうするのがよいか」など、本大会の主題である「社会を創る力を育てる社会科学習~『わかる』・『つながる』・『つくる』社会科~」について活発な意見交換がなされました。

午後からは、全体会場(忍の里・プララ)に移動し、全体会、記念講演を実施しました。講演は、東京大学大学院経済学研究科教授の伊藤元重氏により「中学生に教える金融・経済」と題して行われ、近畿地区の中学校社会科の教員等が聴講しました。

▼ 参加者内訳:

生徒35名、滋賀県内教員等72名、県外教員等57名、教育学部学生4名、合計168名

1.公開授業

「さまざまな支払方法を知ろう」(経済的分野・家計)と題して、物を買うときの支払い方法を、前払い、現金払い、後払いの3パターンに分け、それぞれの長所と短所を考える授業が行われました。まず一人で考え、次にグループで意見交換をし、それを画用紙にまとめて黒板に貼り出しました。グループ討議中には、「ポイントカードしか使ったことがない」や「カードを持ってないからよくわからない」という発言が交わされたり、「プリペイドカードって再発行可能なの?」と疑問が示されたりと、長所や短所を考えるうえでカードの特性を深く知る必要があることに気付く場面が見られました。

黒板に貼り出された各グループの発表は、『前払い』は「支払いの時間がかからない」、「お金がなくてもカードがあれば買える」などが長所に、「チャージしないと使えない」、「残金がいくらあるのかわかりにくい」などが短所に挙げられました。『現金』は「使いすぎる心配がない」、「どこでも使える」、「現金を見る喜びがある」(カードは現実味が薄れる)などが長所で、短所は「細かいお金を数えるのが面倒」、「高い買い物をするときが大変」との意見が出ました。『後払い』は「手元にお金が無くても買える」、「分割で支払える」(ただし利息がつく)などが長所にあげられ、「使いすぎて借金になりやすい」、「払った実感がない」などが短所として挙げられました。

授業者は、そのときどきの生活でどれだけの収入、蓄えがあるのかを常に把握し、支払方法を考えることが大切であると話しました。また、車を買うときにカタログを見ると「ステアリング」や「シフト」など知らない言葉がたくさんあることを例にあげ、買い手は商品についてわからないことは調べ、比較検討し、理解・納得したうえで購入することの重要性を強調しました。そして選択決定の際には、いろいろなことを知ること、学習することを生徒たちに推奨してまとめとしました。

公開授業「さまざまな支払方法を知ろう」の模様

2.講演会

3分野に分かれて公開授業・分野別協議会を実施した後、全体会場で「中学生に教える金融・経済」と題して伊藤元重氏による講演が行われました。

伊藤氏は、はじめに、経済を見るときには三つの目(鳥の目、虫の目、魚の目)を持つことが大切であると話されました。鳥の目とは、マクロで鳥のように経済を上から見る目をもつこと。虫の目とは、ミクロで詳細に見ていく、ある一つの現象をどんどん突き詰めていくこと。魚の目とは、変化する経済の潮流をみること。世の中の見方は一つだけではなく、変化の中身を知ることが経済の動きを知ることで一番重要なことと説かれました。そしてこの三つの視点からギリシャ問題、TPP、ユニクロやコンビニなどについて具体的に解説されました。

また、中学生は一般の経済社会の動きを生活の中で体験する機会が限られているので、学校では社会のしくみをしっかり見せることが重要だが、そこで止まってしまうと経済を学んでもらうには限界があると述べられました。経済にはその時代の流れがあるということを感じさせて、自ら考えさせることが重要で、そのためには、ある程度の基礎知識を身につける必要があると話されました。そして知識は大切だが、知識よりも現実の社会について考える力を身につける、社会に対するものの見方を成長させ自分のものとして取り入れていく力が重要であると強調されました。

講演「中学生に教える金融・経済」の模様

3.プログラム

10:00~10:50
公開授業「さまざまな支払方法を知ろう(経済分野)」(3年生・社会科公民的分野)
授業者:甲賀市立甲南中学校 教諭 石岡一也
11:05~12:30
基調提案 分野別協議会(授業研究会)
14:20~14:50
開会式
14:50~16:20
講演「中学生に教える金融・経済」
講師:伊藤元重氏
16:20~16:30
閉会式

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