金融教育公開授業
2014年度 金融教育公開授業
大分県金融広報委員会
大分県立大分西高等学校
金融広報中央委員会
大分の実施報告
「金融教育公開授業 in 大分(大分西高等学校)」(2月19日開催)
大分県立大分西高等学校は、昭和37年4月に当時西日本では唯一の県立大分女子高校として創立されました。その後、平成15年4月に総合学科へと学科改編し、併せて男女共学化に伴い、校名を大分西高等学校に改称しました。
同校では、昭和37年の創立時の校訓「明るく、優しく、正しく、強く」の精神を継承し、総合学科としての行動を基軸に「夢発見、夢挑戦、夢実現」を掲げています。
また3年間を通じて将来の進路や夢の達成に向けて様々な活動をすることで、「調べる力」、「考える力」、「まとめる力」、「発表する力」を養う「夢ナビ」プロジェクトは、同校ならではのキャリア教育であり、「将来の自分探し」、「生きる力」の育成に大きく貢献しています。
2月19日(木)に金融教育公開授業を開催し、1年生を対象に公開授業と、住田裕子氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
1年生の公民「大丈夫かえ、そん契約~5つの間違い~」(※「そん」は大分方言で「その」の意)」の公開授業を行いました。
授業の導入として、2004年に施行された「消費者基本法」において、消費者と事業者の情報力格差・交渉力格差が明記され、消費者の権利の尊重と自立支援を消費者政策の柱とすることが定められたことを学び、その背景となった事情についても理解を深めました。
また、契約には締結の自由がある反面、いったん締結すると誠実に契約を守る義務が生じることを学びました。
そのうえで、近い将来、契約する可能性の高い「アパート賃貸借契約」について、消費者は不動産業者等から説明を受けた「重要事項」について十分に理解したうえで契約する必要があること、このため他人任せにせず、契約にあたってはしっかりとした知識を持つ必要があり、勝手な解釈をしないことが大切であることと、困った時には、支援を受ける方法があることを知っておくべきであることなどを学びました。
2.講演会
公開授業の後、住田裕子氏から、「気を付けよう!金融トラブル」と題する講演が行われました。
講演では、契約や消費者保護等について実例を挙げてわかりやすく説明されました。住田氏は、「契約は、『意思の合意』です。言いかえれば、申込に対し承諾がされているかで成立します。悪質業者は、『うーん』などの曖昧な返事だと『契約した』との解釈を押し付けてきます。買う意思がなければ、はっきりと『いりません』と言うことが大切です。また、迷っているときは、『考えています』等と気持ちを正直に伝えることが重要です」と話されました。
また、「『訪問販売』、『デート商法』、『催眠商法』など、不意打ちされてよく考えないまま契約してしまった場合に、救済される制度があります。クーリングオフといいます。8日以内に書面で通知することで、契約をキャンセルできるのです。ただし、インターネットや雑誌などの通信販売の場合は、買う意思をもっていろいろ見てから購入しているはずですから、クーリングオフができません。インターネットでは、悪意ある個人や悪質な業者がいるということを十分意識し、『返品特約』などの約束文言が記載されているかを確認した上で、購入することが大切です」と説明されました。
さらに、「若者の特権は『恥をかけること』です。『知りません、教えて下さい』と言えることです。これから社会に出た時、知らないことの方が多いと思います。その中で、恥をかいても『教えてください』と聞けるのは、若いときだけです。恥ずかしいと思わずに、へこたれずに打たれ強くなれるチャンスだと思い、たくさん恥をかいて成長していってください」と話されました。
最後に、「皆さんも自分が出来ないこと、不足していることなど自分の弱点から目をそらさないで、それらを補強しながら是非がんばって、社会で活躍できる人になってください」と結びました。
これに対し、生徒からは「わかりやすい話で金融トラブルについて理解を深めることができた。金融トラブルに巻き込まれないように、今日のお話を忘れずに日々の生活に活かしていきたい」といった声が聞かれました。
3.プログラム
- 13:00~13:50
- 公開授業「大丈夫かえ、そん契約~5つの間違い~」
- 14:00~14:05
- 開会挨拶
大分県立大分西高等学校校長 渚洋行 - 14:05~15:25
- 講演「気を付けよう!金融トラブル」
講師:住田裕子氏 - 15:25~15:26
- 生徒代表 お礼のことば
- 15:26~15:30
- 閉会挨拶
大分県金融広報委員会 副会長 秀島弘高