金融教育公開授業
2016年度 金融教育公開授業
福岡県金融広報委員会
福岡市立福浜小学校
金融広報中央委員会
福岡/福岡市の実施報告
「金融教育公開授業 in 福岡(福浜)(福浜小学校)」(10月28日開催)
福浜小学校は、昭和52年4月に開校し、今年度で創立40周年を迎える学校です。玉せせり、ペーロン大会等の歴史的伝統的行事も受け継がれ、地域の人々の校区を創っていこうとする熱意も強い環境にあります。「ともに学び合い、自ら探究する子どもの育成」を研究主題として、生活科や総合的な学習の時間を中心に研究を積み重ねています。
今回の公開授業では、これまでの研究に金融の視点を加え、「ものやお金を大切にする子どもの育成」を目指しました。
10月28日(金)に金融教育公開授業を開催し、全学年全学級による公開授業と、住田裕子氏による講演会を行いました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
(1)「“あおぞらショップ”をひらこう」
お店屋さんごっこを通して、お金と品物を交換するという売買の状況を経験させるとともに、お金の大切さやコミュニケーションをとる楽しさに気付かせることをねらいとしています。これまで、「あおぞらショップ」を開く計画を立て、商品を作るなどの準備をしてきました。当日は、「あおぞらショップ」の店員になり、それぞれの仕事を行いました。「いらっしゃいませ」「どれにしますか」などコミュニケーションをとりながら、あおぞらショップの活動を楽しみました。
(2)「たいせつにつかおう ものやおかね」
お金の役割を理解すること、「自分の持ち物や落とし物をお金に換える活動」を通して物を大切に扱う意識を身につけさせることをねらいとしています。まず、買い物の経験などについて話し合い、お金にはいろいろな種類があり、値段に合わせて出すことで物を買うことができることを理解しました。次に、自分の身の回りの持ち物をどうやって手に入れたかを振り返り、お金と交換していることを思い出しました。その後、クラスの落とし物を確認し、模型のお金に変身させました。変身したお金をみて感じたことを話し合い、物を大切に使うためにはどうしたらよいか考えました。最後に、物を大事にしている6年生の話を聞き、一人ひとりがこれから自分がやろうと思うことをノートに書きました。
(3)「めざせ!お買い物名人」
お買い物体験を通して、物を購入する際にはお金が必要なことを理解すること、予算の範囲内で物を購入することを学び、これからの生活に活かすことができるようになることをねらいとしています。「300円以内で3つ以上の物を買う」というルールのもと、お買い物ごっこをしました。一人ひとりにお金の模型とワークシートを配付し、予算内で買うことができるよう計算しながら買い物をしました。その後、グループ内で買った物を見せ合い、予算内で買うことができたか確認し合いました。最後に、お買い物ごっこを通じてわかったことについて、感想を発表しました。
(4)「いちご作りについて調べよう」
いちごの値段には農家の人の苦労や工夫が含まれていることに気づくこと、「働くこと」の大切さを理解することをねらいとしています。これまで、福岡市の農作物生産額が一番大きい「いちご」を取り上げ、作り方や売り方の工夫について学習してきました。当日は、いちごの中でも値段の高い「あまおう」の値段の秘密について、調べたことなどを話し合いました。土地の様子、ビニルハウスでの工夫、店に届くまでの工夫、販売の工夫など、グループごとに発表し交流しました。「あまおう」の値段には、生産者や販売者の工夫や努力がたくさんつまっていることを理解しました。
(5)「ほしかった望遠鏡」
登場人物の気持ちや行動を追うことを通して、金銭の大切さに気づくこと、よりよい生活をしようとする意識を高め、自分の生活を見つめなおすことをねらいとしています。まず、自分がやろうと心に決めてやりはじめたが途中でやめてしまったことや、やろうと決めたことを守れなかったことなどの経験を発表してもらいました。次に、資料「ほしかった望遠鏡」を読んで、主人公の気持ちについて話し合いました。主人公の行動を通して、計画的なお金の使い方について考えました。最後に、自分の生活を振り返り、自分が決めた決まりを守ったとき、どんな気持ちになったかを発表しました。
(6)「じょうずに使おう ものやお金」
「おこづかいゲーム」を通して、お金の上手な使い方を考え、お金を計画的に使うことの大切さを理解することをねらいとしています。まず、「おこづかいゲーム」を行い、お金の出し入れがあるごとに、おこづかい帳に記入してみました。全体で立ち止まるイベントや、各自で判断するイベントを体験しながら、ゲームを進めていきました。そのうえで、自分のお金の使い方を振り返り、うまくいったこと、うまくいかなかったことをノートに書きました。最後に、11月にはゲームではなく本当におこづかい帳を使うことを伝えたうえで、各自がお金の上手な使い方について考え、使い方の計画を立てました。
(7)「学級討論会をしよう“お小遣いは必要か?”」
おこづかいの必要性について討論することを通して、おこづかいの意味や価値等を考え、これからのおこづかいの使い方を見直させることをねらいとしています。討論会の前に、おこづかいが必要か不要か自分の立場を決め、なぜそう思うのか、自分の考えを書きました。そして、必要とするグループと不要とするグループに分かれ、それぞれの主張を述べました。その主張に対して質問や意見を出し合って討論し、おこづかいの利点と問題点を整理しながら考えを深めていきました。最後に、討論の前と後とで自分の考えが変わったところや新たに気づいたことなどを学習プリントに記入し、討論を踏まえたうえでの自分の考えを発表しました。
2.講演会
公開授業の後、住田裕子氏から、「子どもを取り巻く金融トラブル」と題する講演が行われました。
前半は、人口減少社会への移行に伴い、子どもたちの社会への参加が遅れ、少年犯罪も陰惨化しているといった現状をお話しになったうえで、規範意識とコミュニケーション能力が大切であることを強調されました。規範意識を育てることは社会生活を守る大切な力となること、コミュニケーション能力の第一歩は自分の意思をはっきり伝え、人の話をしっかり聞けることであること、この2つは子どもたちが将来、社会で活躍するために非常に重要であり、これからの教育全般に関わることであると話され、多くの参加者の賛同を得ました。
後半は、インターネットのトラブルや金融トラブルについて、具体例を挙げながら子どもたちがトラブルに遭わないためのポイントをわかりやすく説明されました。子ども向けの資料も用意し、保護者が子どもたちに話すときのやり方を教えてくださり、大変好評でした。
3.プログラム
- 13:35~14:20
- 公開授業
(1)「“あおぞらショップ”をひらこう」(あおぞら学級 生活単元)
(2)「たいせつにつかおう ものやおかね」(1年生 学級活動)
(3)「めざせ!お買い物名人」(2年生 学級活動)
(4)「いちご作りについて調べよう」(3年生 社会科)
(5)「ほしかった望遠鏡」(4年生 道徳)
(6)「じょうずに使おう ものやお金」(5年生 家庭科)
(7)「学級討論会をしよう“お小遣いは必要か?”」(6年生 国語科) - 14:45~14:50
- 開会挨拶
福岡市立福浜小学校校長 紀研治 - 14:50~16:00
- 講演「子どもを取り巻く金融トラブル」
講師:住田裕子氏 - 16:00~16:05
- 閉会挨拶
福岡県金融広報委員会会長 秋山修