金融教育公開授業
2016年度 金融教育公開授業
東京都金融広報委員会
東京都立府中東高等学校
金融広報中央委員会
東京の実施報告
「金融教育公開授業 in 東京(府中東高等学校)」(12月15日開催)
府中東高等学校は、部活動を活性化することで生徒たちの意欲を高め、学校全体の学力向上を図る「部活動充実校」です。全部で21の部活動があり、ボクシング部や和太鼓部といったユニークな部もあります。また、3年間を通して「自分の進路」について考える場を広く設け、「自己実現」ができるよう丁寧な進路指導を行っています。生徒一人ひとりの個性を尊重し、学力を伸ばす教育を重視しています。
12月15日(木)に金融教育公開授業を開催しました。3年生を対象に公開授業を行い、その後、研究協議を実施しました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
3年生必修の政治・経済の授業において、「自身の選択と社会貢献~新科目『公共』を見据えて~」をテーマとして、パーソナル・ファイナンスを取り扱い、自分自身の選択が社会とどのように関係しているかを考える授業を行いました。
これまで、3年生は、「株式学習ゲーム」を行いながら、金融のしくみや働きをはじめ、分散・長期投資の有用性など、基本的な内容を学習してきました。
授業の冒頭、お金の使い道には消費、貯蓄、投資、寄付があることを復習したうえで、生徒は「もし10万円持っていたら、そのお金をどのような使い道に振り分けるか」を考え、理由とともに発表しました。
次に、「リスクとリターン」の概念について、一般的な意味と金融における意味(収益の変動性と期待収益率)の違いを学びました。また、宝くじと株式投資の違いを題材にして投資の役割を学習し、投資を通じて社会参加する意義を考えました。
その後、冒頭に行った「10万円の振り分け方」について、生徒はもう一度よく考えてみました。授業の前と後でお金の使い道がどのように変化したか、なぜ使い道を変えたのかについて議論し、授業のまとめを行いました。
新科目「公共」の導入も展望しつつ、投資には、金融市場を通じて、自分が社会とつながるチャンネルとしての意味があることを理解しました。また、寄付というお金の使い方もあることに改めて気づく授業となりました。
2.研究協議
公開授業の後、「当校における金融教育の取り組みについて」と題し、研究協議を実施しました。
まず、当校の塙枝里子教諭から、これまで取り組んできた金融教育の実践について、問題意識、目的、実践内容、成果や今後の可能性について報告がありました。
続いて、昭和女子大学非常勤講師の峯岸誠氏の指導の下、協議を行いました。峯岸氏は、公開授業の参観者に、今回の授業を通じて学んだ内容を付箋紙に簡潔に書いてもらい、類似したメッセージをグルーピングして黒板に貼り出しました。それらのメッセージと、「主体的に学ぶ」「問題意識の醸成」「社会と繋がっている実感の醸成」という塙教諭の授業指導案とを比較しました。授業前に教諭が企図した内容が参観者や生徒に的確に伝わっていることを検証したうえで、「素晴らしい授業でした」と講評されました。
3.プログラム
- 11:45~12:35
- 公開授業
「自身の選択と社会貢献~新科目『公共』を見据えて~」(3年生 政治・経済) - 12:40~12:45
- 開会挨拶
東京都立府中東高等学校長 古川直浩 - 12:45~13:25
- 研究協議
「当校における金融教育の取り組みについて」
研究報告:東京都立府中東高等学校教諭 塙枝里子
指導講評:昭和女子大学非常勤講師 峯岸誠氏 - 13:25~13:30
- 閉会挨拶
東京都金融広報委員会事務局長 大澤裕次