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高校生小論文コンクール

第11回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクール(2013年)

講評

第11回「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールには、前回を上回る2,234編の応募がありました。今回から、テーマは金融や経済に関することであれば「自由」(自由テーマ)となり、多様なテーマの作品が寄せられました。厳正な審査の結果、特選5編、秀作5編、佳作50編の入賞作品が決まりました。

高校生が身近なことや実体験から社会や世界へ視野を広げ考えた作品や、労働やお金の価値について多面的な視点から考察した作品など、力作が数多く寄せられました。それらの中から特選に輝いた作品は次の5編です。

金融担当大臣賞「お小遣い帳のススメ」の筆者は、小学3年生から中学3年生まで小遣い帳をつけることを親から義務付けられていました。高校進学後はその「煩わしさ」から解放されますが、小遣い帳と財布の中身は確実にずれていきます。魅力的な寄り道スポットがあり、小遣い額は増えたのに、頻繁にピンチを迎えるようになります。小遣いは、「お金の使い方を考える機会を持つためという意味もある」との母親の言葉を思い出した筆者。小遣い帳は単なる記録ではないことや、支出の内容を検証することで消費傾向や無駄遣いが分かること、対策を立てることができて賢い消費者になれることに気付きます。筆者は現在、スマートフォンのアプリで自己管理していて、筆者のような“憂き目”を経験した方に、小遣い帳をまず3か月ほどつけることを提案しています。審査員は「お金の管理法について現実的な解を見い出している」「体験から大切なことを学んでいる」などと高く評価しました。

文部科学大臣賞「価値を決める」の筆者は、夏休みに農家である家の仕事を手伝っています。枝豆の計量、袋詰め作業を長く続けるうち、作業が雑になり、大人に注意された経験から、愛着心をもって丁寧に仕事をしないと後の作業をする人に迷惑がかかったり、商品の価値が下がったりすることに気付いたと述べています。筆者は、自分の仕事の精度によって自らが商品価値を決めていることを知り、働くということの重要性に気付きます。その一方、珍しさや品質によって商品の価値が変化していく側面にも着目し、自分以外の者が価値を決める面もあることについて考察しています。このことを通して、社会に出たときには自分の働きの価値をきちんと考えなければならないことや、正しい価値判断のためには、視野を広め、様々なことを知ることが大事であると、結論付けています。審査員からは「価値について多面的に考察し、自分の言葉で表現している」「体験から仕事の大切さを学んでいる」などの点が評価されました。

日本銀行総裁賞「文化祭を通して学んだこと」の筆者は、文化祭で焼きそばなどの模擬店を出すクラスの代表者を務めた経験をもとに考察しています。道具や食材の準備、値段設定、味付けなどクラスで討論しながら試行錯誤して「お店を経営する」うち、いろいろなことを学びました。例えば、商売で一番大切なのはお客様だが、そこで働く人の条件にも考えを及ぼさなければならないこと、予算内で希望を叶えることは難しく何かを妥協しなければならないこと、農家は天候に利益を左右されて大変であること、などです。また、商売相手との信頼関係の大切さなども実感します。筆者は、模擬店を通して商売の大変さや楽しさを実感し、「どれだけお客様を大切にしながら利益を上げていくかが、商売の難しい所でもあり、おもしろい所」とまとめています。「実体験を通した等身大の、地に足のついた考察である」「随所に気付きが示されている」「よく考えて行動している」などと審査員に高く評価されました。

全国公民科・社会科教育研究会会長賞「消費活動とメディア」は、商品を選択する基準に対してメディアの影響はないか、と問いかける作品です。祖母や母親がサバの水煮に執心しているのに驚いて筆者が調べてみると、サバにダイエット効果あり、というテレビ番組の影響でした。筆者は、自分の意思で消費活動を行っているように思える場合でも、メディアの影響を受けて消費活動を行っている、いや、行わされているのではないか、と述べています。そして、消費者に得をした気分にさせる情報を流すメディア側にとって、私たちはお金を払ってくれる都合の良い消費者になってしまっている、と指摘しています。メディアに惑わされないためには、複数の情報媒体の並行利用などにより情報の取捨選択を行い、よく考え、売る側の戦略を見抜くべきであり、「情報を見極める力を培った消費者」になるようにと訴えています。「良い気付きがある」「身近な状況を分析し、消費行動がつくられたものだと主張している」などの点が審査員に支持されました。

金融広報中央委員会会長賞「データの価値」の筆者は、音楽や映画の違法ダウンロードの問題を取り上げ、書籍であれば万引きになり犯罪行為と意識されるのに、デジタルデータだとお金を払わなくても犯罪だという認識がされにくいことに着目します。そして、目に見えるものと見えないものでは物の価値の捉え方が変わってしまう、と述べています。また、CDを買う目的が、音楽を手に入れることではなく、アイドルと握手できるという特殊な付加価値を得るためとなり、逆にCDがオマケになってしまっている例がある、と指摘しています。筆者自身はCDを購入することで好きなアーティストの活動を応援していきたいと述べ、また、商品の裏にある「作った人の苦労や想い」など、目に見えないけれども、しっかり見つめるべきものを忘れないようにするのが私たちの課題だ、と主張しています。「問題に真正面から向き合っている」「物とデータ間の認識差から生まれる矛盾をよく分析できている」など、審査員の支持を集めました。

著名人・有識者が語る

  • 脳科学者 中野信子さん
  • 作家 上橋菜穂子
  • 落語家 林家たい平さん
  • 劇作家・演出家・女優 渡辺 えりさん
  • 青山学院大学陸上競技部監督 原 晋さん
  • 東京女子医科大学・先端生命医科学研究所教授 清水 達也さん
  • 元スピードスケート選手/長野五輪銅メダリスト 岡崎 朋美さん
  • 工学博士 石黒 浩さん
  • 日本体育大学教授 山本 博さん
  • 編集者・評論家 山田 五郎さん
  • 作家 荒俣宏さん
  • 医学博士 日野原重明さん
  • 山形弁研究家、タレント ダニエル・カールさん
  • 公認会計士 山田真哉さん
  • タレント パトリック・ハーランさん
  • 精神科医、立教大学教授 香山 リカさん
  • 野球解説者 中畑 清さん
  • 順天堂大学准教授 鈴木大地さん
  • 昭和女子大学理事長・学長 坂東眞理子さん
  • プロスキーヤー、クラーク記念国際高等学校校長 三浦雄一郎さん
  • 明治大学文学部教授 齋藤孝さん
  • マラソンランナー 谷川真理さん
  • 数学者 秋山仁さん
  • TVキャスター 草野仁さん
  • サッカー選手 澤穂希さん
  • ピアニスト 梯剛之さん
  • 女優 竹下景子さん
  • 食育研究家 服部幸應さん
  • おもちゃコレクター 北原照久さん
  • 宇宙飛行士 山崎直子さん
  • 早稲田大学名誉教授(工学博士) 東日本国際大学副学長 エジプト考古学者 吉村作治さん
  • 工学博士 淑徳大学教授 北野大さん
  • 登山家 田部井淳子さん
  • 音楽家 タケカワユキヒデさん

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