金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2006
実施報告
7F 大教室 知りたい!受けたい!おかねの授業
2.1時間目 世の中の仕組みを知ろう!
【映像で長野県塩尻市の小学校6年生が自分たちで育てたダイコンを収穫し、およそ200本のダイコンに値段をつけて販売するという取り組みを紹介。その体験から子どもたちが働いている親の苦労、お金の価値や世の中のお金の動きなど多くのことを学んだと報告しました。】
いとう 長野県の洗馬小学校の授業を紹介しましたが、こちらの第1時間目の授業は池上先生です。
池上 はい。お金を稼ぐというのがとても大変だなと皆さんわかったと思いますが、ではそのお金はそもそも何だろうかという、一番根本的なところから考えようと思います。
(世界各国のさまざまなお札を挙げ、お札を見るだけでその国の事情がわかると説明したうえで)このように、皆さんがお金だと思っているからお札はお金として通用するわけですが、何で皆さんがお金というふうに思うようになったのか、そもそも、お金というものがないころはどうしていたんだろう。
子ども 物々交換。
池上 はい、物々交換をやっていました。でも、例えば肉と魚を交換したいと思っても、うまくそういう相手に出会えるわけではありませんからとても難しい。ではだれでも欲しがるもので交換しようということになり、中国では貝が使われたりしましたが、そのうちに金が使われるようになりました。
金はきれいだし、なかなかないし、ちょっと温めるとすぐ溶けていろんな大判小判が簡単につくれるというので金がお金として使われるようになったんです。
でも金をいつも持ち歩いていると重いし、ジャラジャラ音がすると強盗にねらわれたりするかもしれないから困ります。そういうときは大金持ちのところに金を持っていて、ちょっとこれを預かってくださいと。そうすると大金持ちが、その金を預かってあげるよ、ではこれが預かり証ねと書いた紙をくれます。その紙をだれかに渡すと、今度はその人がその大金持ちのところに行ってその紙を渡す。そうすると金を渡してくれる。この大金持ちというのが銀行の始まり。いろんな銀行がこうやってお札を出すようになったわけです。ですから銀行の発行した券を持っていけば必ず金にかえてくれたんです。
でも、経済がうんと発展してくると、たくさんお札とお金が必要になります。銀行が持っている金貨の量しかお札を発行することができないとなると経済が発展しにくくなってきます。そこで、もうこれがお札だと皆わかっているから、金とかえるのはやめようということになりました。
こうなると、その国の発行するお札、つまりお金に対する信用がとても大事になります。この信用という言葉は最近よく聞かれます。信用を英語で言うと、
いとう クレジット。