金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2006
実施報告
金融教育ケーススタディ
小学校の部
開催場所:610会議室 定員:80名(各50分)
開催時刻:【第2回】 16:50~17:40
実践のなかで金銭の大切さと自分らしい使い方を考える
~栽培・収穫した芋や野菜を使った「いも煮パーティ」を開く実践~
小関 禮子 校長 東京都東村山市立野火止小学校
配布資料(PDF 1,089KB)
野火止小学校の金銭教育と消費者教育は、学校教育全体で取り組むという方針を大きく掲げています。子どもたちの生活を総合的にとらえ、総合的に考えるための一つの糸口、切り口として金銭・金融に関わる教育があると位置づけています。
学校における消費者教育は、よく考え、決定し、行動できる子どもの育成です。広い視野に立って、自らの生活を見つめ、考え、行動できる人間の育成です。生き方に関わる教育ととらえています。
学校では、駐車場を利用して始めた学校菜園を活用して、各学年が野菜やイモを栽培しています。5年生はサトイモやニンジン、ダイコンを育てており、子どもたちはお世話になった地域の方やボランティアで交流している授産施設の方を招待して、収穫したイモを使った「いも煮会」を計画しました。子どもたちはこの授産施設を訪問するようになり、施設の人々と一緒に作業をすることを通してお金を得ることの大変さを実感していきました。同時に、サトイモやダイコンを育て、収穫していく体験から自分たちが働くことの大変さを知っていきました。「不労所得」と「苦労所得」(子どもたちの苦労の所産であるという意味の造語)の違いにも気づくことになりました。
子どもたちの実際の生活の場は家庭であり、地域です。こうした体験を通じて、学校、家庭、地域が相互に緊密な連携を保ち、補い合うことによって金銭教育は推進されるととらえています。大量生産、大量消費の時代に生まれ育った現代の子どもたちは、消費生活に漬かっているため自らの生活の問題点に気づかないことが多いが、こうしたことをしっかり見据えた視点をもって指導し、考える時間を与えれば、子どもたちは問題意識をもって学習するようになり、教師が予想する以上に理解度を深めることができます。