金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2006
実施報告
金融教育ケーススタディ
高等学校の部
開催場所:604会議室 定員:40名(各50分)
開催時刻:【第2回】 16:50~17:40
「商品研究発表」を実践して
~消費生活と意思決定を考える~
久保田 まゆみ 教諭 広島市立広島工業高等学校
ガイドブック該当ページ(PDF 2,192KB)
配付資料(PDF 439KB)
教員生活20年余の経験から、家庭科教育の中での消費者教育として、生徒1人1人が方法を模索しながら解決していく「意思決定」を実践に生かしていけるといいな、という思いがこの授業を始めるきっかけでした。そして、「家庭の経済生活、消費者の権利と責任などについて理解させる」「現代の消費生活の課題について認識し、資源や環境に配慮し、消費者として適切な意思決定にもとづいて責任をもって行動できる実践的な態度を養う」という2点を学習のねらいとしました。
授業は「家庭の経済生活」「消費者の権利と責任」「環境に調和した生活」「消費生活と意思決定」の4部構成とし、「問題の明確化」「情報収集」「選択肢の比較・検討」「決定・行動」「評価」の5つを意思決定のプロセスとして、いかに実践化していくかということを考えました。
こうした授業展開の特色として次の4点を挙げています。(1)商品を選ぶという行動を通して、自分自身のライフスタイルを考えながら、様々な意思決定を擬似体験させました。(2)地球環境や人の健康にやさしい商品とは何か、その商品を選ぶのはなぜ、どのように生活に結びつくか、といった研究を進めました。(3)商品を比較検討し、決定し、その結果を発表するという学習の流れを構築し、この学習形態を『商品研究発表』と名づけました。(4)判断や評価を自分だけでなく、消費生活アドバイザーなどの専門家にしてもらうことで、研究する意味や価値を高めました。
消費生活と意思決定を考える授業の具体的展開は、(1)まずグループを編成して1人で意思決定することのプレッシャーを軽減するようにしました。次いで(2)商品やテーマを決定し、(3)研究方法を決めていく。研究方法の中では、クラスメートを対象とした商品に関するアンケート調査を必修としました。こうして(4)消費者調査(アンケート調査)を実施し、(5)商品の比較表を作成、そして(6)商品研究のまとめと課題で、研究を通してわかったことや商品全体のコメント等をまとめました。続いて発表に向けての準備に入り、(7)発表資料の作成、(8)発表方法の決定、へと進みました。ここでは発表にだらだら時間をかけないように(9)発表読み原稿の作成を指導しています。最後はクラスの生徒とゲストティーチャーの前で行う(10)商品研究発表と評価、という一連の流れをとりました。