金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル in the Galaxy
6F 大人の宇宙おかね教室 知るぽると金融教育セミナー
J-REITの商品特性と魅力
講師:(社)不動産証券化協会
事務局次長・調査部長 友永 圭亮 氏
まず最初に、J-REITの配当利回りを見てください。国債等と比べて高いですね。最近では8%を超えるような水準になっています。一方、価格(東証REIT指数)は2007年5月まで高騰し、その後下落しています。今日はこのような特徴のあるJ-REITについて、基礎的なお話をさせていただきます。
J-REITは「ジャパン・リアルエステート・インベストメント・トラスト」の頭文字をとってつけた名称で、不動産を主な運用対象とする日本の不動産投資信託のことを言います。その仕組みは、投資家から集めた資金を複数の不動産に投資し、その賃貸収入や売却収入を得て、投資家に配当を行う形態の金融商品です。対象となる不動産は、オフィスビルやマンション、ショッピングセンターが中心になりますが、ホテルとか物流施設、インフラ施設など、物件の種類も増えてきています。
J-REITは、2001年9月に、オフィスビルに特化した2つの法人が上場してスタートしました。その後、商業特化型、住宅特化型のREITが登場するなど、銘柄数も資産も順調に伸びており、現在では8兆円を超える資産を取得しています。こうした発展の背景には、業務純益にJ-REITの配当金を入れることができるようになった制度的な改定や、譲渡税、配当税率が下がる税制改正があったことなどが大きく影響していると思います。
J-REITの配当利回りが他の商品と比べて優位性があることは先に述べましたが、具体的には、一定の条件を満たす場合は配当の損金算入が認められているため、利益のほとんどを配当しているということです。このほか、配当が安定していること、少額でも投資が可能なこと、換金性が高いこと、高度なノウハウを持った専門家による不動産運用であること、情報開示が非常にオープンであること、等々の魅力を挙げることができます。
もちろんJ-REITは投資商品ですので、元本割れリスク、配当リスク、災害等のリスク、また、法制度の変更など制度的なリスクを伴います。トータルで見るとJ-REITは「ミドルリスク、ミドルリターン」と言えるのではないでしょうか。株と債権の中間の商品特性を示すということで期待されている商品です。このへんをご理解いただければ幸いです。