金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル in the Galaxy
6F 大人の宇宙おかね教室 知るぽると金融教育セミナー
家庭内金融教育の現状と課題
講師:金融広報中央委員会
「子供のお金教育を考える会」代表
生活経済ジャーナリスト あんびる えつこ 氏
今、子どもたちを取り巻く環境が大きく変化してきています。少子化によって子どもの数は減りましたが、子ども1人にかけるお金は逆に増えています。数少ない子どもに、祖父母をはじめとする周囲の大人たちが「お財布」を提供しているからです。そのリッチな懐をねらって、子どもたちは消費社会のターゲットになっています。消費社会の中にあっては、子どもは一人前の消費者として扱われ、あの手この手で消費意欲が刺激されているのです。社会の中の子どもたちということで見ていった場合、都市構造の変化というのも非常に大きいのではないかと思います。商店が大型ショッピングセンターという箱の中に入ってしまったことによって、地域の目から子どもたちの消費形態が隔離されてしまいました。また遊びの場が大型ショッピングセンターになることで、遊びや友達関係の構築にもお金が必要になってしまったのです。
こうした環境の変化の中で、親は子どもたちにきちんとした金銭感覚を養い、自分なりに今ある「お金」の行き先を意思決定していくことを教えなくてはいけません。子どもたちを待ち受ける社会は、経済的に不透明であるばかりでなく、持続可能な発展という未知なる大きな命題も与えられているのです。これまでの家庭でのしつけでは対応できませんし、親もとまどっているというのが実情です。こうした家庭内金融教育の課題を克服するには、子どもに対する教育だけでなく、親の学習機会の提供が重要になります。「井戸端会議」のような学習機会の中から、お母様方、お父様方が、家庭内での金融教育を築いていかれるのではという希望を抱いております。
一方で、子どもの学習機会の平等を担保することと、公的資質の育成も重要です。ここで大きな役割を果たすのが学校ですが、学校で学ぶ「知識」を生かせるよう学校と実践の場である家庭が連携していく必要があります。
今、子どもたちはお金に囲まれています。そうした状況の中で、さまざまな学びの場が必要とされており、その体制を確立していくのはまさに今なのではないかと考えています。日常生活におけるいろいろな経験からの学びと学校での学びとの連携によって初めて家庭内金融教育がうまく回り、そこで子どもたちが生きていく力を養い、自分たちがお金を活用してよりよい社会を築いていくのだという力が芽生えてくるのではないかと思っています。