金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
教員向けセミナー ワークショップ
講師 : いちのせ かつみ 氏 (FP/生活経済ジャーナリスト)
「世界一おもろいお金の授業!必要なモノと欲しいモノ」
身近なものを教材に、「リアリティーとサプライズ」の授業を実践
私は1年間に全国約60の保育園から大学を回り、お金のことを教えています。お金のことは好きやけども、なかなか勉強しないのが日本人の特徴かと思います。例えばクーリング・オフのことなどを少しでも知ろうとすればいいのに、知らないから悪徳商法の被害にあって泣き寝入りすることになるのです。
子どもたちがよく行くコンビニは、商品の置き方などを見ると必要なものだけ買わせるんじゃなくて、要らないものまで買わせて売り上げが伸びる仕組みになっています。売る方と買う方の知恵比べです。欲しいものばかりを買うより必要なものを買う、という選択がしっかりできるということはものすごく大事です。
子どもたちが大きく依存している携帯電話をみてみましょう。使い方の怖さをぜひ教えてあげてほしいと思っています。私の授業でやっているのは、携帯電話の機能を班ごとに付箋に書き出して、有料は左、無料は右と分けて貼ってもらいます。家族同士のメールなどは、真ん中になるケースもあります。それらの情報をクラス全体で共有していくことによって、携帯電話の使い方を考えさせます。
高校生相手の授業では、班分けして、「私の携帯電話を機種変更するのに何がええか」、を課題にしました。私が携帯電話のどの機能をどう使っているかについて、生徒からたくさん質問があります。私の答えにもとづいて各社の料金体系を調べ、各班がプレゼンします。他人のことを考えさせることによって自分に置き換えさせる方法の一つです。
子どもたちの携帯電話代はいくらぐらいかかっているでしょうか。昔は公衆電話を使えば前払いでしたが、携帯電話は持っているだけでお金がかかり、使えばもっとかかる。ということは、お金を借りている状態であるということです。そこで、大学卒業後80歳までの携帯電話代が月2万円だったら、その分で家が買えるということも話しています。
私の授業では、100万円の札束を触ってもらうといった「リアリティー」と、事前に資料を見せない「サプライズ」を大事にしています。子どもたちに、何かを感じさせることができると思うからです。
プロフィール
全国各地で金融教育、金銭教育の講演活動を行う。ユーモアあふれる語り口調で、大人も子どもも楽しく学べる講演が評判。平成15年、自転車で日本を縦断し、金融教育普及のためのボランティアセミナーを各地で実施。
【出演番組】
フジ銀行芸能人貸付係(フジテレビ)、親と子のTVスクール(NHK教育)、儲かりマンデー(TBS)
【著書等】
親子で学ぶ!マネーの法則DVD版、ファイナンシャルプラン設計事例集(日本法令)、日経マネー、あるじゃん、各種新聞、他