金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 東京会場
(NPO法人)証券学習協会
講師
島田 ふよう 氏
「やさしく学ぶ投資信託の特徴とリスク」
仕組みを知り、コストやリスクをしっかりチェック
投資信託は、大勢の投資家から集めた資金をまとめ、ファンドマネージャーと呼ばれる専門家が株式や債券、不動産などに分散投資を行い、運用の成果を投資した資金に応じて分配する商品です。日々刻々と値段が変化するもので運用しますので元本は保証されません。分配金も運用次第で異なります。
投資信託は、証券会社のほか銀行、保険会社、郵便局などの取扱金融機関で購入できます。集められた運用資金はさまざまなデータを収集・分析し、ノウハウを駆使し当初決められた運用方針に則って運用会社で運用されますが、実際の資金の管理・保管は信託銀行で行われます。信託銀行では、預かった運用資金を自行の財産とは区別して保管・管理していますから、取扱金融機関や信託銀行などが倒産しても、買った投資信託は時価で払い戻されます。
投資信託は、購入時には「販売手数料」、保有期間中は「信託報酬」、売却時には「信託財産留保額」「税金」、などのコストがかかります。手数料はファンドによっても、また販売会社によっても異なりますので、事前に確認しておくことが必要です。
資産運用の世界では、「リスク」は値動きのブレ幅の大きさを意味し、大きなリターン(収益)が期待できるものはそれと同じ確率で値下がりする可能性があるということを認識しておかなければなりません。一般的には株式よりも債券で運用する方がリスクが低いと思われがちですが、何で運用するのか、どこの国に投資するのか、どのような運用方針なのか、分配の方針はどうなっているのか、などによって、リスクの大きさも様々です。
投資信託の主なリスクには、①有価証券の価格変動により損失を被る「価格変動リスク」、②発行体の財務状況が悪化し株価が下落して損失を被る「信用リスク」、③組み入れ銘柄を売却する際に、市場規模や取引量が少ないため通常期待される価格で売買出来ず損失を被る「流動性リスク」、④投資対象国の社会情勢の変化により市場が規制を受け不安定になり損失を被る「カントリーリスク」、⑤資産価値は変わらなくても円高(外貨安)の進行により損失を被る「為替変動リスク」などがあります。
投資信託で資産運用をされる方は、投資対象、運用方針、コストなどが記載された目論見書(説明書)で確認し、きちんと納得した上で購入することが大切です。金融機関のホームページや、「Quick」、「モーニングスター」などの第三者サイトも役立つ情報が載っていますので参考にしてください。
(NPO法人)証券学習協会とは
証券知識を身につけたい人々のために、中立公正な立場で、講座の開設、講師の派遣、金融・証券知識の普及に関する提言を行っています。2002年に内閣府の認証を受けています。