金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2010
金融教育セミナー 東京会場
(社)日本損害保険協会
生活サービス部 企画グループ担当課長
柴田 文明 氏
「損害保険の基礎知識」
損害保険のしくみを理解して身の回りのリスクに備えましょう
損害保険は、みんなで出し合うお金で、誰かが事故に遭ったときに損害を補償する機能を有しています(「相互扶助」的な精神に基づいています。)保険料は「大数の法則」により、事故や災害の発生確率を導き算出します。したがって、保険料は一般的にリスクに応じて決まります。リスクの高いところからは保険料をたくさんもらい、低いところからは低いなりの保険料をいただくことになります。皆様の家計で、貯蓄に回す分、保険で備える分を使い分ける事が非常に重要です。基本的には、賠償額、損失額が大きいものは保険で備え、小さいリスクには貯蓄等で備えるのがいいでしょう。損保会社の社会的意義、存在意義の一つは、リスクを引き受けて皆様の生活の安心に寄与することです。
損害保険契約の際、皆様がどういうリスクを心配しているのか、そのリスクに対してどの程度備えたいのか、いくらまで保険料を支払えるのか、といったことを保険会社や損害保険代理店の人に説明することが、適切な商品を選ぶ一番の近道です。重要事項説明書などを基に説明を受け、自分に合った商品を選んでください。
地震保険は政府と共同で運営しています。保険会社が保険料を集めて、政府にバックアップしてもらっています。どれくらいの規模で、どれだけ発生するか分かりにくいという地震リスクの特殊性から、火災保険の契約金額の半分までしか掛けられないなどの制限があります。
一般的には、他人から損害を被ったら民法で損害賠償請求できますが、火災の場合は失火責任法でその民法の規定が基本的に適用されません。延焼被害等に備えるためには火災保険に自分で入る必要があります。
火災保険では、契約時に実際の住所などを保険会社に告げる「告知義務」と、契約後に家財を別の建物に移した場合など保険料に変更を及ぼすような事項が起きた時に知らせる「通知義務」を、保険会社は皆様にお願いしています。この情報がないと、保険会社は保険料やリスクの高低の判定ができません。損害保険が役割を発揮するのは、事故や災害が起こり損害を補償してもらうときです。「こんなはずではなかった」と後悔することのないよう、しっかり備えて自分の生活を守ってください。
(社)日本損害保険協会とは
1946年に設立。国内の損害保険会社27社(2010年7月1日現在)を会員とし、わが国における損害保険等の健全な発達及び信頼性の維持を図ることを目的としています。