金融教育フェスタ
金融教育フェスティバル2011
金融教育セミナー 東京会場
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
常務理事(CFP®)
伊藤 宏一 氏
いのちを育み環境を守る生活設計と資金計画とは
大震災で多数の尊い命が失われました。「命のこと、環境のことをちゃんと考えないといけない」ということになり、生活設計も新しい段階を迎えました。大地震、津波、放射能などにより、家族、仕事、住宅など、これまでの生活設計が台無しになり、苦境に陥っているケースが続々と出てきました。一方、震災により、新たな生活意識が目覚めました。大事な人と笑顔で暮らしたい、次世代のために何かしたい、シンプルで良いものを長く使いたい、環境のために生活を見直したい、将来のことを考え計画的に行動したい、などです。
これからの生活設計では、個々人が自分の潜在能力を実現し、環境にも配慮しながら、人の役に立ち、互いに支え合いつつも自立することが大切です。お金やモノが増えて便利になると、人の潜在能力が低下する面があります。自分や家族の体力、知的能力、コミュニケーション能力などを高める生活にしていくことが重要です。家族、地域、社会といったヨコの絆を太くしていくことも、災害、介護・育児、環境、失業等を考えれば大切です。
リスクに強い生き方を目指し、リスク管理を重視しましょう。ライフプランとして、1枚の紙に、家族、その年齢、今後10年で生活設計上何が問題になるか書いてみてください。将来どのような可能性があるかを考えれば、大学教育費が嵩む頃に親の介護に直面する、老後費用が足りない、などがわかり、備えをしておかないといけないことがわかります。
お金に関する実際の能力を高めていくことが大切です。英米でも力を入れています。例えば、必要なものと欲しいものを区別する、収入から貯蓄したうえで支出をやりくりする、金利感覚を養い、金利を比較する習慣をつける、などです。住宅は地盤を調べ、できれば中古、お金をかけすぎないことがポイントです。教育は就職できる能力を身につけさせましょう。保険を含む金融商品を理解し、選別できる能力も必要です。
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会とは
ファイナンシャル・プランニングの普及及びその担い手のファイナンシャル・プランナーの養成・認証を行い、国民の金融リテラシー向上に寄与することを目的とするNPO法人です。