金融教育公開授業
平成17年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
福井県金融広報委員会
福井の実施報告
「金融教育公開授業in福井(豊小学校)」
(11月15日開催)
11月15日(火)午後、福井県福井市豊(みのり)小学校において公開授業が行われました。当日は、「子供のお金教育を考える会」代表のあんびるえつこ氏が、3、4年生193名に「カレー作りゲームに挑戦しよう」をテーマとする授業を行った後、保護者向けに「子供たちの生きる力と金銭教育」を題する講演を行いました。
▼参加者内訳:
公開授業計274名(うち児童193、保護者57、関係者17、当校教諭6、地域住民1)、講演96名(うち保護者41、関係者19、当校教諭35、地域住民1)。
公開授業に参加した保護者の方からは、「ゲームを通して、皆それぞれ考え方が違うこと、限られたお金の中でやり繰りすることの難しさや大事さを理解できたと思う」、「予算を立てておこづかい(お金)を使うことを、生活の中で子供と一緒に学んでいきたい」などの感想を頂きました。
公開授業「カレー作りゲームに挑戦しよう!」
公開授業は約45分間、60名近い保護者も参加して行われました。「おはじき10個で、お父さん、お母さんに喜んでもらえるようなカレーの材料を揃えて下さい」。あんびる先生が、こう呼びかけると、子供たちは手許のシートを見ながら熱心に考え始めました。シートには、じゃがいも、たまねぎ、にんじん、ピーマン、牛肉、豚肉、シーフードミックス、カレー粉、牛乳の絵と値段(おはじきの個数)が書かれています。牛肉の値段は少し高めに設定されており、これを買うと、他の具を減らさなければいけない仕掛けになっています。「なぜ、このような組み合わせを選んだの?」、「どんなことに悩んだの?」、「どんな工夫ができるのかな」とあんびる先生は子供たちや保護者に質問します。「牛肉が好きだから」、「おはじきが足りなくて入れたい具が入れられない」など、子供たちは様々な意見を発言します。保護者からも、「特売日を狙ってカレーを作る」といった生活感溢れる答えが飛び出すなど、場内は大いに盛り上がりました。
こうしたやり取りを通じ、子供たちは、(1)限られたお金の中で、何かを選ぶと他のものは買えなくなること、(2)限られたお金の中で何かを選ぶとき、それぞれ自分の価値観(考え)で選ぶこと、(3)自分の親は色々と工夫をして家計を切り盛りしていること、などを、実感を伴う形で学ぶことができたのではないかと思います。
(公開授業の模様)
保護者向け講演「子供たちの生きる力と金銭教育」
公開授業の後、保護者向け講演「子供たちの生きる力と金銭教育」が、約1時間に亙り、保護者や教諭など約100名に対して行われました。講演に先立ち、福井県金融広報委員会会長の山本福井県副知事と福井市教育委員会の渡辺教育長による開会挨拶が行われました。
講演では、金銭・金融教育の必要性について、(1)今日の日本では、金融自由化、IT化、自己責任の3点セットが一度に押し寄せ、これらへの対応能力を早急に身に付けないと生活に支障が出る環境になっていること、(2)少子化によって「子供のエンジェル化」(父母、祖父母等による過剰な金銭提供)が進むなか、子供たちが「我慢」できなくなっていること、(3)教育費が増大傾向にある(子供1名当たり2千万円時代の到来)ほか、現行年金制度を維持することが難しくなっていることを背景に、今のような形で子供の面倒をみようにもみられなくなること、などが、具体的なデータに基づいて示されました。
(講演の模様)