金融教育公開授業
平成17年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
大阪府金融広報委員会
大阪の実施報告
「金融教育公開授業in大阪(千里高校)」
(10月7日開催)
10月7日(金)の午後、大阪府立千里高校において公開授業が行われ、マスコミでもお馴染みの住田弁護士による講演の後、2年生が「金融商品研究」をテーマに発表を行いました。
住田弁護士による講演
住田弁護士による講演は、約1時間半にわたり、「身近に潜むリスク!金融・消費者トラブル」をテーマに行われました。住田弁護士の人気は高く、玄関に到着した姿を目にした生徒からは歓声が上がり、控え室から講演会場の移動中、生徒たちの長蛇の列ができるほどでした。
講演会は、1、2年生約600名、保護者約80名を体育館に集めて行われ、来賓として金融広報中央委員会事務局長をはじめとする委員会関係者のほか、大阪府教育委員会の関係者が招かれたほか、大阪府や近畿財務局、金融広報アドバイザーなど大阪府金融広報委員会の関係者も多数参加、マスコミ数社が取材に訪れました。
住田弁護士は、講演の冒頭、「少子化・人口減少が進む中、ひとりの能力向上が従来に増して重要な時代になっており、若者が将来、儲けたいと思うのであれば、自己投資、すなわち、勉強に励むことが最も有効」であることを強調されました。
また、本題では、「うまい話にのらないように・・悪徳商法のあれこれ」というテーマで、「ねずみ講」、「マルチ商法」、「通信販売」、「レンタルビデオの長期延滞料金」、「身に覚えのない請求書」、「高校生による高額品の分割購入」、「友人への名義貸しによるクレジットローン請求」など、高校生にも関係のある題材を中心に、具体的な話を織り交ぜながら、問題点や対処方法等について分かりやすい紹介・解説がなされました。
最後に住田弁護士は、高校生の職業選択のあり方について、自らの社会人としての歩みを振り返りながら、「社会人生活を振り返って重要と感じるのは、どんな仕事にも誠実に一生懸命に取り組むことが大切であり、後になってみると、あまり目立たないような仕事から得るものが多いということ。そのためにも、一度、仕事についたら最低3年間は辞めては駄目。そして、一般的に今の流行だけで職業を選択するのではなく、自分の力を活かせる仕事が何かを考えてほしい。なお、弁護士業は、弱いものを助けたいという社会的正義感が主たる動機でないと、華やかで儲かりそうな印象だけで目指すと、就職しても後悔する」と説き、講演を締め括りました。
(住田弁護士による講演会)
2年生によるプレゼンテーション
講演終了後、場所をセミナーハウスに移し、2年生約40名による公開授業が行われ、保護者や教育委員会、他校関係者も多数参観しました。授業では、「金融商品研究」をテーマに、5つの班から、各5分程度の持ち時間で、(1)投資信託、(2)預金、(3)ペイオフと銀行の選び方、(4)株式、(5)損害保険、に関する発表が、パワーポイントを用いて行われました。実際に銀行や証券会社を訪問して調査した結果を比較したり、シミュレーションを取り入れるなどの様々な工夫がみられました。
(担当教諭による授業の説明)
(生徒たちの発表)
発表後、金融広報委員会事務局長より、「自分にとってもとても勉強になりました。実際に金融機関を訪問して調査した班がありましたが、自ら汗を流して調べるという経験は今後、必ず役に立ちます。今回の研究は、いわば入り口であり、これで終わらせず、例えば、リスク商品についてであれば、なぜ相場が動くのだろうか、この商品はどのような仕組みで出来上がっているのだろうかといった形で問題意識を次々と膨らませながら、より深い勉強へと繋げていって欲しい」とコメントしました。
また、大阪教育委員会の指導主事より、先生や保護者等に対し、「これだけの規模と内容の公開授業を準備・運営された校長、教諭、生徒ほか関係者のご苦労には、並々ならぬものがあったものと拝察し、心より敬意を表したい。その成果もあって、全体的に高度な内容で、とても有意義な一日でした。生徒にとっても貴重な財産になるのではないかと思います。今後は、ここで終わりにせず、最終的に目指すべきゴールに向けて、今回のような小さな成功体験を連続的に与えながら生徒たちに動機付けしつつ、段階的に勉強を進めていくことを期待したい」との総括コメントがありました。
そして、最後に、校長先生のご好意で、担当の先生、教育委員会関係者や当委員会関係者等で意見を交換する場を設けていただき、当委員会が今後、目指していくべき金融教育のあり方などについて、様々な貴重な意見をうかがうことができました。