金融教育公開授業
平成17年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
金融広報中央委員会
東京都金融広報委員会
東京/世田谷区の実施報告
「金融教育公開授業 in 東京(代沢小学校)」
(11月25日開催)
代沢小学校は、東京都金融広報委員会より金銭教育研究校(17-18年度)を委嘱され、金銭教育に熱心に取り組んでいます。
公開授業は、保護者、関係者等、たくさんの参観者が見守る中、4年1組の児童の皆さん(21名)がそれまでの約2か月半にわたる取組みを踏まえて、グループ毎にまとめた起業プランについて、パソコンを操作しながらプレゼンテーションを行うという形で行われました。
公開授業に引続き、体育館において、横浜国立大学教授・西村隆男氏による講演会が開催されました。
▼ 参加者:保護者、教育関係者等 59名、児童 21名
プログラム
13:45~14:30 公開授業4年1組
14:45~15:05 挨拶・実践報告
15:05~15:25 研究協議
15:25~16:15 講演会
公開授業:テーマ「下北沢商店街の人気の秘密を探ろう」~下北沢商店街にお店を出してみよう~(授業者 代沢小学校 新貝 朗 主幹)
実施報告(PDF 159KB)(日本銀行広報誌「にちぎん」No.5 2006年春号より転載)参照。
講演:「金融・金銭教育のすすめ」(講師:横浜国立大学教授 西村隆男氏)
西村教授は、まず、公開授業について、「金融・金銭教育という観点から、色々な学習要素を含んだすばらしい授業でした。マーケットリサーチという社会科的な要素、コスト計算という算数的要素、消費生活という家庭科的要素、プレゼン能力、情報教育など、さまざまな内容を含めてデザインされた、まさに総合的な学習といえるものです」と評しました。
次に、これからの日本の金融教育のあり方という点について、英米の金融教育の取組みなどにも言及しながら、「家庭でも子どもたちにお小遣い帳を付けさせるなどして、お金への関心をもたせ、確かな金銭感覚を身に付けさせるべきだと思います。例えば、5歳くらいから家庭の中で仕事をさせ、お小遣いを渡し、親子で話し合って契約書を作ってお互いに取り交わす、守れなければ契約内容を見直す、といった方法が考えられます」と話しました。
また、金融教育の狙いを「生活をより豊かにするために、労働意欲を持ったり、経済・社会の仕組みを理解したり、市場の確かな担い手を育てていくこと」と説明したうえで、「金融ビッグバンや金融の自由化が進む中で、一人一人が、たくさんの選択肢から自己責任においていろいろなものを選んでいく時代に入ってきました。法化社会とも言われています。このような時代だからこそ、大人が家庭や学校でしっかりお金に関する教育を展開しなければならないと思います。若者をパラサイトやニートにしてはいけません。働いて稼ぐことの意味、生活を自分自身で営んでいくことの意味を理解させることが大切だと思います。時代が、まさに、金融・金銭教育を求めているのです」と講演を締め括りました。
(西村教授の講演)