金融教育公開授業
平成19年度金融教育公開授業(全国リレー講座)
愛媛県金融広報委員会
金融広報中央委員会
愛媛の実施報告
「金融教育公開授業 in 愛媛(今治市立大西小学校)」(11月2日開催)
今治市立大西小学校は、山本校長が、以前勤務した小学校で金銭教育研究校として活動した経験から、金融教育について深い理解を示され、大西小学校の教育計画に「金銭教育」の単元を設けるなど、家庭・地域社会とも協力しながら金融教育に熱心に取り組んでいます。
11月2日(金)に開催しました公開授業には、同校の6年生2クラス全員のほか、学校関係者、保護者および地域の皆様など、200名以上の多くの方々にご参加を頂きました。また、地元テレビ局、新聞社のほか、全国雑誌1社も取材に訪れました。
▼ 参加者内訳:
1.公開授業
公開授業は、いちのせかつみ氏の「お金持ちになりたい人?」、「今、欲しいモノはなに?」という質問から授業が始まりました。初めは、手を挙げることや発言することを恥ずかしそうにしていた子供達も、いちのせ先生の軽妙な語り口にどんどん笑顔があふれ、先生からの語りかけにも元気な声で答えるようになっていきました。
先生は、モノを買うことは、売る人と買う人の知恵比べだと話されました。店内商品の配置や広告に惑わされず、自分の欲しいモノが、本当に今、必要なものなのか、様々な視点(機能、デザイン、価格等)からよく考えることが大事だと教えてくれました。
また、携帯電話の使い方についてもお話されました。公衆電話は10円を入れてお金を払ってから通話ができるのに比べ、携帯電話は、先にお金を払うこともなく、通話もメールも音楽ダウンロードも好きなだけ使える。後でお金を払うのだから、いわば、お金を借りている状態。しかも携帯料金が一か月5千円であれば、10年で60万円になる。他に欲しいモノも買えるのでは、と問いかけたうえで、もし、携帯を持つ場合には、支払っている携帯料金が自分にとって有効だと、きちんと言えるような使い方をしなければならないと教えてくれました。児童の中には、「もう携帯電話が欲しいと思わなくなった」という声も聞かれました。
(公開授業の模様)
2.講演会
公開授業のあと、保護者向け講演「今、金融教育が必要なワケ」が、約1時間行われました。講演では、子供に対する金銭教育の必要性や、実践するタイミングや具体的方法などが、ご自身の体験談を交えて話されました。
お小遣いを渡し始める時期、適正な金額や渡し方に関しては、周囲の状況に合わせたり、画一的に決定するのではなく、子供自身に合わせた取り決めでよいこと、そのためにも子供一人一人を日頃からよく見つめる必要があること等を、昔の家庭と今の家庭の状況を比較しながら説明されました。保護者の中には、度々うなずき、納得した様子でメモを取る姿もありました。また、携帯電話の必要性については、親が思う以上に子供の情報機器に対する適応能力が高いことを述べられ、携帯を持たせる場合には、なぜ必要なのか、どういう使い方をするべきか等について、しっかり子供と話し合うことが大切だと説明されました。
家庭における早期からの金銭教育とは、難しいことではなく、保護者自身が買い物の仕方等毎日の生活の中で、子供たちにお手本となる姿を見せることから始まり、子供自身がお金や買い物等に興味を持ち始めた時が、具体的な金銭教育を始める一番有効な時期ではないかと述べられました。
(講演会の模様)
3.プログラム
- 13:30~13:40
- 開会挨拶 愛媛県金融広報委員会会長
- 13:40~14:30
- 公開授業「お金って!~欲しいものは必要なモノ?~」
講師:いちのせかつみ氏 - 14:40~15:50
- 講演「今、金融教育が必要なワケ」
講師:いちのせかつみ氏 - 15:50~16:00
- 閉会挨拶 今治市立大西小学校校長